27-8
「ここはうちら専用なんだ」
げげっ。
チーム専用の部屋……みたいな感じだったのね。
「ほら、部屋がないんじゃないか? 入り口も入れなかったみたいだし」
「受付嬢、手配忘れたか?」
「あるある」
受付のお姉さん、忘れる事あるんだ……。
意外と抜けている、でもかわいい。
……いやいや、今はかわいさに悶えている場合じゃない!
どうしよう、居場所無いよ?
「私に付いてきて」
「いってらー」
と思ったら、ランク1の確かミレーユだっけ?
あたしを案内しようとしている?
「う、うん」
なんかここに居ても迷惑っぽそうだし。
とりあえず、ついていこう……。
砦内、廊下にて。
「…………」
「…………」
うーん。
静かだ。
なんかこう、話しにくいというか。
そもそも何を話せばいいというか。
「…………」
それにしても、ミレーユって人かわいいなぁ。
生地がつやつやな、深い黒色のフリフリでふわふわなドレス着てる。
髪型も金髪で縦ロールだし。
闇と戦う魔法少女っていうよりかは、貴族の令嬢って感じだね。
パーティ会場で扇子持っておほほってしてそう。
「よーうランク1」
「ん?」
「魔法で姿消せるのって便利だよな! どういうふうにやってるんだ?」
おお!
こういうときエレナが頼もしい、話題をつくってくれた!
これで少しは気まずい雰囲気が無くなるかも!
「簡単だよ。光の屈折で物体の色が決まるから、空気中の水分と風を集めてそれを操作すればいい」
なんかの漫画であったような設定だ。
手から竜巻だしそう。
って、意外と話してくれるね?
「おー、そうなのか! でもそれを継続してやるのは大変そうだな」
「そうね」
確かに、常時魔法力を使ってないと駄目って事だよね。
やっぱランク1ともなると、魔法力の数値も凄そう。
「じゃあ、ミレーユさんは魔法力すごく高そうですね!」
「だなー」
よし、話題にのっかったぞ!
しかもランク1の魔法力も聞けるし一石二鳥だ。
「そうでもないよ? レティシアとか、トリニティとかよりも低いかな。今で500くらい?」
あれ、意外と控えめだった。
しかも500って、学生よりも少ない……?




