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3-7

 うーんうーん。

 どうしようどうしよう……。


 フロリアンナ先生は……。

 だめだ、これは歌うまで解放されないパターンだ。


 何かこの場に相応しい歌を!

 思い出せ……、脳みそフル回転させろ……!


 そうやって、思いついた歌は……。


「あなたの手と手が触れあう中~♪」

「!!!」

「!!!」

 転生前の世界、昔テレビで放映されたアニメのオープニングテーマだった。

 しかもそのアニメは女の子同士の恋愛を描いた、いわゆるガールズラブものであり、そのジャンルを確立させた作品とも言われている。


「揺れる心、濡れる瞳、しなやかに、たおやかに~♪」

 だってこれしか思いつかなかったんだもん!

 考えれば考えるほどこの歌が流れるし!


「熱き思い、互いに交わり~♪」

 こうなりゃやけくそだー!

 最後まで歌いきってやる……!


「夢の仲間でもあなたと共に過ごしましょう。赤きユリの二輪花~♪」

 ど、どうだぁ……!

 や、ややややってやったぞ!!


「…………」

「…………」

「…………」

 うう、なにこの空気。

 やめてそんな目で見ないで!

 何か反応してよ!

 ね、ねえ?

 ほら、何か感想とか……ね?


「はい次」

 えええええ!?

 しかも何事もなかったかのようにスルーされた!!

 ひどいよ、こんなのあんまりだよ!!

 あたしの頑張り……うぅ……。


 あたしは肩を落としながら、とぼとぼと歩いて元居た場所へ戻ると、一つ大きくため息をついた。


「なあゆき」

「うん?」

「なんだあれは?」

 エレナ、もうこれ以上は触らないでお願いだから……。


「いいじゃねぇか。見直したぞ」

「えっ?」

「ここにきたぜ」

 エレナはそう言いながら、握った拳を胸をトントンと叩いている。


「あ、ありがとう」

 なんだか分からないけれども……。

 とりあえず一人でも分かってくれる人がいてくれて良かったよ。



 こうしてあたしの唐突な歌発表は無事?に終わった。

 他の人も無難にこなしていき、全員が終わったところでフロリアンナ先生が全員の方を見つめながら口を開きだす。


「あなたたちの事をよく分かりました」

 一体何が分かったんだろう?

 咄嗟に歌った内容から、その人の趣味とか育ちとかかな?


「それでは10日後に開かれる、最初の試験に向けて各自頑張って下さい」

 え?

 急に何を言ってるの?

 試験?

 10日後?

 ちょ、ちょっと急すぎない??


「あと、ご存じかと思いますが、最初の試験の成績上位3名はグランドリリィ決定戦の出場権が与えられ、合格点に至らなかった人は退学となります」

 ええええええ!?

 そんなん聞いてないよおお!!

 むむうう、学園長もあたしに迫る前にそういうの教えてくれればよかったのにいい!!!

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