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「はぁ? 馬鹿じゃないの? こっちは4人! しかもランキング41位もいるんだよ!」
「なんだ、セフィリアより下じゃねえか。それにお前は大した事ないな?」
「う、うるさい!!」
「ま、ランクなんて関係ねえよ。俺はお前たちをぶちのめすだけだ」
「やれ!」
やばい、相手の魔法少女が構えて……。
魔法で攻撃してきた!!
火の玉がたくさん飛んできて……!
「エレナー!!!」
まずい、このままじゃエレナが!!
にげて、おねがい!!!!
そんなあたしの願いも無視して、エレナは飛んでくる攻撃に向かっていく。
魔法少女たちが放った魔法は、やがてエレナへと当たる……。
「ふんっ」
……はずだけども!
全部持ってた杖で弾いちゃったよ!!
す、すごい……。
魔法……使ってなかったよね?
「な、なんだと!」
攻撃を全て弾いたエレナは、そのままずんずんと進んでいき。
「きゃあああっ!!!」
杖を持っていない方の手で、本を破いた魔法少女の顔を殴った!
「いっただろ、ぶちのめすってな」
ひ、ひい。
本当にグーで殴った。
い、痛そう……。
「よ、よくも……!」
しかも効いているよ!
あれ?
魔法少女衣装って、衝撃を魔法力で肩代わりするんだよね?
普通にエレナのパンチ効いてるけど……。
でもよく見たら、怪我はしてない。
殴ったところ赤くもなってない。
ほおほお、肩代わり効果は健在ってわけだね。
「お前らクズなんて、魔法を使うまでもねえ。相手にならねえんだよ」
「く、くそ……!」
「ゆきもそうだ。今は怯えているが、実力はお前らなんかとは比べものにならねえよ」
完全に勝負あった感じだ。
今回もエレナに助けられちゃったね。
びびってたのばれてた……あはは。
「どうした? もう終わりか? 俺のランクは70くらいだぞ?」
すごい煽っている……!
も、もういいよ!
はやく帰ろう……?
「う、ううう……」
「なんだ? 今度は泣くのかよ。本破られたゆきは泣いてねえのに、情けなくないのか?」
ほら、相手の子泣いちゃったよ。
うわあ、なんかこっちが悪者みたいな雰囲気……。
「エレナ、もういいよ」
「そうだな、つまんねえ」
確かに、ここにいても気分悪いだけだよね。
はやく本部に戻ろう。
エレナの家族ともお話したい。
そう思い、この不愉快な場所から去ろうとした。




