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26-4

 都内、地図に書かれた場所にて。


「人いないね」

 手紙と一緒に入っていた地図の位置に来たんだけども……。

 草木が茂っていて、時折鳥の鳴き声が聞こえる程度で人が居る雰囲気もない。


「あれー? ここじゃなかったのか?」

 ふたりで見ながら来たから、間違いではないと思う。

 でもこんな場所に呼び出して何をしたかったのかな?


 そう思っていた時だった。


「来たか」

 木の影から女の子が次々と出てきた。

 人数は……3人、4人かな?

 フリフリな格好から察して、あたしと同じ魔法少女だね。


「あの……、なんでしょう?」

 同業者ってのは分かったんだけども、こんな場所に呼び出してどうしたんだろ?

 まさか、ちょっと前にあったヤンデレな人が他にも……?


「お前、ちょっと調子に乗りすぎてない?」

「えっ?」

 なにそれ、どういうことなの。

 なにをいってるの?


「それ……」

 あたしの本?

 一体何を……?


「あああ!!!」

 そんな!

 や、やぶった……!

 ううぅ、なんて酷い事!!


「私はお前の事嫌いだからさ」

「クスクス」

「くすくす……」

 ああ、ようやく分かったよ。

 この人らあたしが嫌いなんだ。

 ここまで露骨に敵意や嫌悪感を出してきた人に会わなかったから忘れてたよ。


 あんまし気はのらないけども……。

 やっぱ、ここで立ち向かわなきゃいけないよね。

 あたしの尊厳。

 取り返さないといけない。


「おい」

「なんだ? 腰ぎんちゃくは黙ってろよ」

 ってエレナはやいよ!

 今まで何も言わずに見ていたのに?


「ぐぐっ」

「どういうつもりだ?」

 エレナは本を破った魔法少女の胸ぐらを掴んでいる。

 握った拳は震えているし、声もいつもより低いから、あたしのかわりに怒ってくれている?


「あー、分かったぞ。お前らゆきに嫉妬してるんだな?」

「なんだと!!」

「あほくさ、帰るぞゆき。殴る価値も無い、こんな奴ら無視していい」

「う、うん……」

 そう言うとエレナは掴んでいた手を離し、ぱたぱたとさせながらここから去ろうとした。


「おい! 待て!!」

 あたしは重い気持ちになりながらも、助けてくれたエレナに感謝しつつ、彼女の後を追おうとした。

 その時。


「……てめえ」

「え、エレナ……」

 まるで退路を塞ぐかのように、火の玉が足元へ落ちてきた。


「ゆきは下がってな、俺が全員やる」

 エレナはあたしの方を何度か叩いた後、再び怒りを露わにして魔法少女たちへ向かっていった。

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