26-2
街の入り口近くの広場にて。
「ここだ」
エレナに付いてきて、到着したそこには……。
「エレナー!」
「エレナだー!」
「よーう、待たせたな」
「おそいよー!」
うわああ!!
な、なにこの子供の数!
10人くらいいる……?
しかも全員エレナを見て……、ひっ飛びかかってきた!
うわぁわちゃわちゃになってるよ!
おおう、でも全員受け止めてる。
す、すごい。
「クミン、ローリエ、ミント、ちゃんと仲良くしてたか?」
「うん!」
「わたしはしてたけど、ミントがー」
「わたしわるくないもん!」
エレナって男気溢れるキャラだと思ってた。
元々孤児だってのも知ってたけど、まさかここまで面倒見がいいなんて。
「ガーネット、エメラルド、面倒みてくれてありがとうな」
「エレナが魔法少女になって稼ぐまでの間だからね」
「大変だったよ、闇から逃げながら生活するの」
しかも、ちっちゃい子からあたしたちと同じくらいの年齢の子まで、全員に慕われている。
やるなぁ……。
「もう大丈夫だ、お前達にひもじい思いはさせないぞ」
『おおー!』
「あの、えっと、この子たちは……?」
それで、だ。
この子供の群れはいったいなんなの?
「俺の家族だ」
んん?
…………。
…………。
ああ、なるほど!
前に言ってたね。
そっかそっか、エレナの家族かぁ。
……でもなんでみんな女の子なんだろ。
そう思っていると、集まった女の子の中で一番しっかりしてそうな感じの子が、ゆっくりとセフィリアの方へと近づいていき……。
「あなたが教祖様ですね、エレナから話は聞いています」
え゛っ。
これって、セフィリアが聖百合教の教祖と勘違いされている?
「あらあら、私じゃありませんよ。こちらの方です」
「えっ」
そ、そりゃあ、あたしよりもセフィリアの方がそれっぽいけどさ!
まあ作家だからね……。
成り行きというか、都合上教祖に仕立て上げられているだけだし……。
「じー」
「う、うーん」
そんな見なくても。
やっぱ疑われている?
「エレナ、本当か?」
「ああそうだ、ゆきはすげーんだぞ」
「は、初めまして。ゆきです、一応教祖やってます。あはは……」
「ゆきちゃん!」
ひっ!
いきなり”ちゃん”付けなんて。
「う、うん。ゆきちゃんだよ。よろしくね」
「はーい!」
しかもさっきまでわちゃわちゃしてた子たちもみんな返事したよ!
ゆきたんといい、ゆきちゃんといい。
あたしも忙しいね……あはは。




