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「うわあああ!!!」
あたしは今死んだ!
トラックにひかれて死んだ!!
もうだめだ、絶対に逃げられない。
16歳で死んじゃうとか、まだ夢も叶えてないのにひどい。
「あ、あれ……?」
と思ったけど、ここどこだろ?
なんだか暗いし座ってるところが固いしガタガタしてるし。
周りには……、人が居る。
みんなあたしと同じくらい年だけども、なんか格好がみすぼらしいというか……。
なんだろ、エプロンワンピース?
うーん、コスプレ大会でもやってるんかな。
それにしては暗くて重い雰囲気だけど、なにこれ。
って、あたしの格好も同じじゃんー!!
い、いつの間に着替えた……?
トラックにひかれたけど実は生きてて、だけどそのまま拉致されて、こんな格好にされた……?
誰が何のために。
うーん。
……なんだかわからない時は、周りの人に聞いてみよう!
「あ、あの」
というわけで、あたしは隣に居たつり目の女の子に話しかけてみる。
「なんだ? さっきからやかましいなお前」
「ここは何なんでしょう……?」
「はぁ? お前頭おかしいのか?」
「…………」
つり目の女の子はとても不機嫌そうだ。
そんな真っ向から頭おかしいとか言わなくてもいいじゃん……。
なんか感じわる……。
で、でもここが何か聞かないと。
「あ、あの……」
「あーそうか、そういうことか」
ってちょっと!
あたしまだ何もしてないよ。
何で一人で納得してるの、あたし何も分からないのに……!
「まぁお互いクソみたいな人生だったけど、これから頑張ろうな!」
ええええ!?
なにそれ意味分からないよ!
しかもさっきの不機嫌さから一変して妙にフレンドリーだし!
肩とかポンポンって叩かれちゃったし!
「あ、あの、ここはどこでしょ? これからどうなるんでしょ?」
「そんな緊張するなって」
「う、うん」
相変わらずつり目の女の子は笑顔でご機嫌だ。
なんか連帯感というか共感というか。
ま、まぁ嫌われるよりかはマシだから、その事は深くつっこまないでおこう……。
「これから舞踏会へ行くんだよ」
ぶ、ぶとうかい……?
あたし、パーティにお呼ばれした……?
「いやー、幸運幸運! あはははは!」
そりゃ、そんな場所に呼ばれて嬉しくないわけがないけども。
てか今まで黙ってた周りの女の子もなんかクスクス笑ってるし!
ひえぇ怖い。
ここ怖いよ……。
なんなのもう……。