25-8
「うぅ……」
「やべえな」
「くそ、ここまでか」
「…………」
「さあもう逃がさない。私のゆきたん、おいで……」
どうしよう……。
もう逃げられない。
リゼットの攻撃も効かないし……。
リゼットの攻撃が効かないって事は、百合バーストしてパワーアップしても駄目って事だし。
うぅ、万事休す……。
でも、セフィリアを連れて来なくてよかったかも。
まさかここまで危ない事になるとは思ってなかったからね。
いや、むしろ連れてきて戦力増強した方が良かったのかな……?
そんなこんなで、頭の中がぐるぐるしている最中。
「いいわよ、そこまで言うならゆきを置いていくわ」
えっ。
まさかあたしを犠牲に……?
「その代わり、私達を見逃しなさい」
うそ……。
あたしが身代わりになるの……?
でも、もうそれしか術はなさそうだよね。
あたしが犠牲になれば、他の3人は助かる。
あたしが嫌がれば、他の3人は助からなくてあたしは連れていかれる。
結局変わらないのなら……。
うう、こわいよう……。
「ゆきたん……、薄情な仲間なんかよりも私と一緒に……」
まさかこんな結末だなんて。
闇に捕まったらどうなるんだろう?
あたしもあんな風になっちゃうのかな?
……やっぱり怖い。
でも、仕方ないよね。
そうやって諦めて、あたしは闇の下へゆっくりと歩いていく。
闇は満面の笑みを見せながら、手を広げてあたしを迎え入れようとしている。
あたしはそんな彼女に身を委ねるように近寄り、そして腕の中に納まろうとする。
その時だった。
「えっ」
背後から光の粒……?
それもこんなにたくさん!
うわあ!
闇に全部当たったよ!!
な、なに、どういうことなの。
「そんなわけないでしょ。さあ逃げるわよ」
そっか!
敵を油断させて隙を作ったわけだね!
よ、よかった。
本当に見捨てられたのかと思ったよ~!




