25-4
こうして自己紹介も終えたあたしたちは、闇の中へ向かい行方不明者の捜索を開始した。
「ここが闇の中……」
「ほお……」
闇の中に入るのは当然初めてだけども……。
なんだろう、基本真っ暗な世界なんだけど、木とか草が青白く輪郭だけうっすら光っている。
あと、昔そこに住んでいた人の家とかも同じような感じだ。
一緒に居る魔法少女もそうかといわれると、魔法少女だけは普段と同じ様に見える。
だからこそ景色と合わないというか、すごく浮いているような感じがする。
「ベルナデットから離れないようにね。彼女のおかげでこの景色が見られているのだから、離れれば何も見えなくなるわよ」
「う、うん」
なるほど、魔法でこうやって見せているわけだね。
ひええ、離れたら何も見えないとか。
こんなところで迷子になったら絶対に見つからないよね……。
でも、この中から行方不明者を探すんだよなぁ。
上手く見つかるといいけども。
あれ?
闇に飲みこまれたら2度と帰ってこられないんだよね?
魔法少女は魔法でどうにかできる人もいるけども、普通の人はもう……。
「行方不明になって2日、今日見つけないといけないわね」
なるほど、ある程度の猶予はあるみたいだ。
じゃあ頑張って探さないと。
そういえば、闇の飲みこまれたらどうなるんだろう。
やっぱり消滅しちゃうのかな?
それとも、他の魔法少女アニメみたいに襲ってくる闇に生まれ変わっちゃうとかかな?
うーん、分からない事だらけだね……。
そう思いつつ、あたしはベルナデットから離れないようについていき、行方不明者の捜索を続けた。
「ん? それはなんでしょ?」
ベルナデットがずっと持っている、コンパス……なのかな。
なんだろう?
「これは生きた人間に反応する魔法道具だ」
なるほど、それを頼りに探しているわけだね。
「でも反応が弱いわね。余程遠くなのか、それとも……」
えっ、ちょっと!
それってどっちもやばいような!!
もしかして、あたしたちのせい……?
拠点についてすぐ出発したら探す時間もあっただろうし、あたしたちがついているせいで歩くのも遅いとか……。
「あの、やっぱ足手まといだよね?」
「別にあなた達のせいじゃないわよ。闇の中の捜索なんて出来る事が限られているし、見つかればラッキーなくらいだから」
な、なるほど。
そこまで救出成功率は高くないみたい。
「探しましょう!」
「そうね」
それでも、頑張って探そう!
諦めちゃ駄目なんだ。




