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あたしたちが苦労して解読した文字。
”ネオ・ユリバース”
「……で、どういう意味?」
あたしの前居た世界で、なんか似たような名前の歌があったけども。
まさかそれじゃないだろうし……。
てか、ここでも百合かいっ!
「分かりません。ですが、この単語が何か重大な意味を持っているというのは事実です」
いやいや、そんなドヤ顔で言われても。
「なんだよ、ここまでやって出てきたのは意味不明な単語だけかよ」
「どういう意味でしょうねえ……」
結局、この後もいろいろ考えたけれど、それ以上の事はわからなかった。
ミカエルとウィーンは魔法少女としての仕事があるので、聖百合教本部から去って行った。
残されたあたしたちも、一旦は解散して頭を冷やすことにした。
都内にある噴水広場にて。
「んー!」
なんかずっと考えていたから、日の光が気持ちいいね!
「ふう」
にしても、今まさに世界が闇に襲われている!っていうのに、街ゆく人は穏やかそのものだ。
こういう時って、危機感に満ちていて殺伐しているとかあってもおかしくないのに。
やっぱ結界があるお陰だからかな。
あっ、お辞儀されてしまった。
そっか、教徒の人だったんだね、無視するのも悪いし手振っておこう……。
…………。
…………。
…………。
…………。
はぁ、空青いなぁ……。
平和だなぁ……。
…………。
…………。
…………。
…………。
うーん。
ネオ・ユリバースねえ……。
直訳すると、新たな百合の世界?宇宙?って事になるんかな。
”新たな”って事は、今の世界を百合にする……?
いやいや。
今でも十分だよ。
だって、同性婚認められていて、伝説の勇者パーティがまさか百合だったなんて。
これ以上の百合の世界があるわけないよね。
うーん、わかんないや。
帰って本作りの続きしよう。




