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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 23 魔法少女になった百合作家、秘密に少しだけ触れる その2
180/420

23-7

 翻訳結果を受け取ってから数日後。

 聖百合教、教祖の部屋にて。


「うーん……」

 あたしはずっと日記の事について考えていた。

 考えていたんだけども……。


「だあーーー!!! わかんないよ!!」

 当然、そんな都合よく妙案をひらめく訳もない。


 この数日間、いろいろ試してみたんだよ!

 原文と照らし合わせながら縦読みとか、斜め読みとか、いろいろと……。

 でもやっぱり何も分からない。


 やっぱり、ただの黒歴史日記だったんかな。

 うーんうーん。


「……作品の続き描こう」

 魔法少女になってからや、今まで学園で過ごしてきた事。

 そして日記の内容。

 これらのお陰か、あたしの作家活動はものすごい捗った。

 その結果、次はなんと2作同時販売だよ!

 我ながら頑張った。うん。

 しかも今書いているのはそのさらに先の作品!

 ネタの宝庫だからね……ここ。


「入るぞー」

「失礼しますね」

 あやや、エレナとセフィリアだ。

 どうしたんだろ?


「今日はミカエルさんが来るみたいですよ」

「ほおほお」

「そろそろらしいから、待っていようぜ」

「うんうん」

 そっか、そうだった。

 じゃあみんなで行こう。



 聖百合教、客室にて。


「お待たせしました。みなさんおそろいのようですね」

 既にミカエルとウィーンは待っていた。

 そういえばふたりの普段着って初めてみるような?

 よくよく考えたら、学生姿と魔法少女の姿しか無かったからね。

 ミカエルは、派手さはないけども所々金銀の装飾がついている、いかにも貴族が来てそうな高級そうなワンピースだし、ウィーンもいかにもその従者って感じのロングスカートのメイド服だ。


「早速ですが、手記について何か分かりましたか?」

 とまあ、ふたりの格好はおいといて。

 何かと言われると……。


「うう、全然……」

「まるでさっぱりだなー」

「あらあら……」

 手記の翻訳結果はみんなにも見せている。

 だけど、あたしと同じで何も分からなかったみたい。

 そりゃそうだよね……、どうみても日記だもん。

 しかも百合だし。


「あれからわたくしの方でも、いろいろと考えてみたのでそれを試してみましょう」

 おお、何かいい方法でもあるのかな?

 ミカエルなら期待できそうかも。

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