23-7
翻訳結果を受け取ってから数日後。
聖百合教、教祖の部屋にて。
「うーん……」
あたしはずっと日記の事について考えていた。
考えていたんだけども……。
「だあーーー!!! わかんないよ!!」
当然、そんな都合よく妙案をひらめく訳もない。
この数日間、いろいろ試してみたんだよ!
原文と照らし合わせながら縦読みとか、斜め読みとか、いろいろと……。
でもやっぱり何も分からない。
やっぱり、ただの黒歴史日記だったんかな。
うーんうーん。
「……作品の続き描こう」
魔法少女になってからや、今まで学園で過ごしてきた事。
そして日記の内容。
これらのお陰か、あたしの作家活動はものすごい捗った。
その結果、次はなんと2作同時販売だよ!
我ながら頑張った。うん。
しかも今書いているのはそのさらに先の作品!
ネタの宝庫だからね……ここ。
「入るぞー」
「失礼しますね」
あやや、エレナとセフィリアだ。
どうしたんだろ?
「今日はミカエルさんが来るみたいですよ」
「ほおほお」
「そろそろらしいから、待っていようぜ」
「うんうん」
そっか、そうだった。
じゃあみんなで行こう。
聖百合教、客室にて。
「お待たせしました。みなさんおそろいのようですね」
既にミカエルとウィーンは待っていた。
そういえばふたりの普段着って初めてみるような?
よくよく考えたら、学生姿と魔法少女の姿しか無かったからね。
ミカエルは、派手さはないけども所々金銀の装飾がついている、いかにも貴族が来てそうな高級そうなワンピースだし、ウィーンもいかにもその従者って感じのロングスカートのメイド服だ。
「早速ですが、手記について何か分かりましたか?」
とまあ、ふたりの格好はおいといて。
何かと言われると……。
「うう、全然……」
「まるでさっぱりだなー」
「あらあら……」
手記の翻訳結果はみんなにも見せている。
だけど、あたしと同じで何も分からなかったみたい。
そりゃそうだよね……、どうみても日記だもん。
しかも百合だし。
「あれからわたくしの方でも、いろいろと考えてみたのでそれを試してみましょう」
おお、何かいい方法でもあるのかな?
ミカエルなら期待できそうかも。




