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22-9

「分けてくれ」

「いきなり来てよこせとは、随分な物言いだな」

 そ、そうだよ。

 もっとこういい方があるというか、15万のものを分けてもらうわけだし、あたしたちで何かできる事するとか……。


「一体、何のために使うんだ? どうせ誰かに頼まれたんだろう?」

「ああ、学園長の使いだ」

「ほう……」

 学園長って単語が出た途端、なんか表情が変わったような?

 知り合いだったのかな?


「で、他に何を頼まれた? それだけじゃないんだろう?」

「 ”満月のマンドラゴラの根”と”大ヤモリの尻尾”だな。この2つはこっちで用意する」

「ふむ……」

 しかも、他の材料を聞いたらあごに手を当てて考え出した。

 どうしたんだろう?

 何か思い当たる事でもあるのかな。


 あたしはそう思いつつ、じっとアルの方を見つめた。

 その間、お互いに会話はなく静かな時間が過ぎていき……。


「まあいいだろう。品物はこれだ、持っていけ」

「おお!」

 その後、アルは引き出しから布袋をこちらへ放り投げてきた。

 エレナはそれを難なく受け取り、中身を空けたのであたしもそっと見てみると……。


 こ、これは!

 赤色の粉!

 ほおほお、これが15万かー……。

 とてもそうは見えないけども……。


「ありがとうな。金はいくらだ?」

「いらん。てかお前ら持ってるのか?」

「ない!」

「だろうな、欲しければまた採りに行く」

 えっ。

 確か採れる場所って確か、闇に飲みこまれたって。

 この人しか知らない場所があるんかな?


「あともう1つ、聞きたい事がある」

「なんだ? 金はないぞ」

「学園長が何かを隠しているんだが、心当たりはないか?」

「私はMA学園の事は知らん」

「だよなー」

 なんでエレナはそんな質問をするんだろう?

 ……ああ、そっか!

 きっとすごい魔法使いだから、情報持っているかもしれないって事だね!

 うーん、エレナの人脈すごい。


「だが、お前は何か気づいているんだろう?」

「そうだな、学園長が何か隠しているってのは分かるんだが、具体的に何をと言われるとわからねえ」

「ふむ……」

「そんなに気になるなら、調べてみればいいだろう? 学園内とかな」

「前にもやってみたけど、途中で見つかった」

「なら打つ手なしだな」

 そうなんだよね。

 また見つかったら今度は学生じゃないしどんな処罰がくるか分からないからね。


「さあ物は渡した、さっさと去れ」

 アルはそう言うと、後ろを振り向いて手を振ってあたしたちを追い返そうとする。

 エレナは何も言わずに館を出ようとし、あたしもアルさんに頭を下げてエレナの後を追おうとした。

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