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22-8

「ちょっとついてこい」

「えっ、う、うん」

 エレナは何か思い立ったように、さっさと歩いて行ってしまう。

 あたしはそんなエレナに理由も聞けず、ただ何となくついていく事になり……。



 都から離れた森の中にて。


「確かこのあたりだったんだがなー」

 ねえ、都から随分離れちゃったよ……?

 こんなところに何かあるの?

 探している物って火山の洞窟に居る奴から採取するんだよね?

 とても居そうな雰囲気じゃないと思うけども。


「おお、あったあった」

 あったあったって、家……?

 しかも壁がツタまみれだし、石壁は所々ヒビが入ってるし。

 すごく廃屋っぽい感じがするけども、まさかこんなところにあるの……?


「ね、ねえ。ここは?」

「入れば分かる」

 ああっ!

 エレナ勝手に玄関の扉開けて入っちゃったよ!

 待ってー!!



 森の中の家内にて。


「ね、ねえ。こんなところに住んでる人いるの……?」

 エレナを追って入ってきちゃったはいいけども。

 なんか薄暗いし、じめじめしてるし、変なにおいしてるし。


「おーい! 居るかー?」

 やっぱり誰かいるの?

 ヒッヒッヒ!って高笑いしながら、大釜で怪しげな薬つくってる魔法使いとか出てきそう。

 ひえ、あたし生贄にされる……!


「やかましいぞ。……なんだ君か」

 と思ったけども、あれ?

 意外と普通の女の人だ、しかも美人かも。

 フード付きのローブ着ているから、魔法使いの人かな。

 良かった、怪しげな人じゃなくって。


「久しぶりだな!」

 しかもお互いに見知った仲って感じだね。

 エレナにこんな知り合いがいたなんて。

 貧民街時代に知り合ったとかかな?


「どうした? 首席になった報告をしにきたのか?」

「いんや、なれなかった」

「ふん。甲斐性の無い奴め」

 しかも、MA学園の事も知ってる。

 ということは、……いつの間に知り合ったんだろう?

 こっそり手紙とか出してたのかな?

 マグパがあるくらいだから、魔法で通信してたとか……?


「そこの娘は?」

「あのっ、ゆきです! エレナの……妻です///」

 自己紹介で思わず言っちゃったけども。

 や、やっぱりはずかしいなあ!

 でも、嘘じゃないし……///


「その手袋……、ゆき……、妻……。あー、そういう事か」

 しかも理解してくれたよ!

 この世界、本当に同性婚はありなんだね……。

 おっけーとは言われたけども、やっぱり違和感ある。


「私はアルだ。よろしくな」

「はいっ!」

「で、今日は何しに来た?」

「”赤熱蝙蝠蛾の鱗粉”っていうのを探している」

「あるよ」

 まさかエレナ、ここにある事知っていて……?

 おおおお!!

 やったよ!

 これで依頼クリアじゃん!!

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