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「ちょ、ちょっとなにするんですか!」
「なにって、ゆきさんはこういうのが好きなのでしょう?」
こういうのが好きって。
そっか!
あたしが百合本持ってたからか!
でもまさかこの学園長にそんな趣味があるなんて……。
「こんな本を持っているくらいですからね、いけない人」
い、いけないのは認めるけどさ……。
でも押し倒していい理由にはなってないよ!
顔近いよ!
「ふふふ、何も怖がらないでください」
いや怖いよ!
いきなり押し倒されるとかありえないし!
しかも結構力強いのか、まるで動かない……逃げられない!
「私の目を見て……」
見てって、そんなに近いと嫌でも見てしまいますって!
って……あ、あれ……?
な、なにこれえ……ぐるぐるするぅ……。
だ、だめぇ~。
ちかづかないでぇ~。
…………。
…………。
…………。
…………。
「やはり……」
「ふ、ふぇぇえ……」
なにもおぼえていない。
いまがゆめかげんじつかもよくわからない。
なあに、どうなっちゃったのあたし……。
ってうわあ!!!
あ、あれ?
「おはようございます」
一体どうなったあたし?
むむ、体は何も……されてなさそう。
でも学園長が長い髪をといている……。
ということは、そういう事しちゃった!?
がーん、あたしの初めてが……。
「な、なんてことしてくれたの! この変態ロリ娘!!」
だいたい、お互いの同意も無しにそういう事するの駄目だと思うの!
こんな無理矢理じゃ納得いかないよ!!
うう……、もうお嫁にいけない……。
「別に何もしていませんよ」
「うそつけー!」
「現に体は何ともないでしょう?」
「え? うーん……たしかに」
「しても良かったのですが、まだゆきさんには早いです」
「むう……」
「あと私はこんな見た目ですが、もう100歳超えていますよ」
「100歳って……、えええええ!?」
うそん、ロリB〇A!?
まさか本物をこの目で見られるなんて……。
確かに妙に落ち着いているというか、大人びた感じはしてたけども。
いやまぁ、ファンタジーやってんなぁ……。
「この本、あなたの作品ですか? それとも別の方が描かれたものですか?」
「え? う、うーん。あたしが描きました……」
「もうちょっと内容を考えた方がよいですね。魔法も大事ですが、こちらも精進なさい」
「は、はいぃ……」
なんか同じことをちょっと前にも言われたような。
あたしの作品そんな駄目かな……くすん。
「あなた自身の納得いくものが出来たと思ったら、また見せてください。商人ギルドに掛け合って販売しましょう」
「はい……、えっ?」
今ちょっとすごい事さらっと言ったような?
販売?
え、うそ、本当?
まさか異世界でも同人活動……?
「楽しみにしていますよ。ふふふ……」
なにその不敵な笑み、怖い。
でも、これってまたとないチャンスだよね。
現世では散々だったけど、異世界で売れっ子かー。
……悪くないかも。
うーん!
よっしゃ!!
もうこうなったら腹くくって頑張るしかなさそうかな!!
やってやるぞー、作家で天下(異世界だけど)とってやるー!