表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/420

3-3

「ちょ、ちょっとなにするんですか!」

「なにって、ゆきさんはこういうのが好きなのでしょう?」

 こういうのが好きって。

 そっか!

 あたしが百合本持ってたからか!

 でもまさかこの学園長にそんな趣味があるなんて……。


「こんな本を持っているくらいですからね、いけない人」

 い、いけないのは認めるけどさ……。

 でも押し倒していい理由にはなってないよ!

 顔近いよ!


「ふふふ、何も怖がらないでください」

 いや怖いよ!

 いきなり押し倒されるとかありえないし!

 しかも結構力強いのか、まるで動かない……逃げられない!


「私の目を見て……」

 見てって、そんなに近いと嫌でも見てしまいますって!

 って……あ、あれ……?

 な、なにこれえ……ぐるぐるするぅ……。

 だ、だめぇ~。

 ちかづかないでぇ~。


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


「やはり……」

「ふ、ふぇぇえ……」

 なにもおぼえていない。

 いまがゆめかげんじつかもよくわからない。

 なあに、どうなっちゃったのあたし……。


 ってうわあ!!!

 あ、あれ?


「おはようございます」

 一体どうなったあたし?

 むむ、体は何も……されてなさそう。

 でも学園長が長い髪をといている……。

 ということは、そういう事しちゃった!?

 がーん、あたしの初めてが……。


「な、なんてことしてくれたの! この変態ロリ娘!!」

 だいたい、お互いの同意も無しにそういう事するの駄目だと思うの!

 こんな無理矢理じゃ納得いかないよ!!

 うう……、もうお嫁にいけない……。


「別に何もしていませんよ」

「うそつけー!」

「現に体は何ともないでしょう?」

「え? うーん……たしかに」

「しても良かったのですが、まだゆきさんには早いです」

「むう……」

「あと私はこんな見た目ですが、もう100歳超えていますよ」

「100歳って……、えええええ!?」

 うそん、ロリB〇A!?

 まさか本物をこの目で見られるなんて……。

 確かに妙に落ち着いているというか、大人びた感じはしてたけども。

 いやまぁ、ファンタジーやってんなぁ……。


「この本、あなたの作品ですか? それとも別の方が描かれたものですか?」

「え? う、うーん。あたしが描きました……」

「もうちょっと内容を考えた方がよいですね。魔法も大事ですが、こちらも精進なさい」

「は、はいぃ……」

 なんか同じことをちょっと前にも言われたような。

 あたしの作品そんな駄目かな……くすん。


「あなた自身の納得いくものが出来たと思ったら、また見せてください。商人ギルドに掛け合って販売しましょう」

「はい……、えっ?」

 今ちょっとすごい事さらっと言ったような?

 販売?

 え、うそ、本当?

 まさか異世界でも同人活動……?


「楽しみにしていますよ。ふふふ……」

 なにその不敵な笑み、怖い。


 でも、これってまたとないチャンスだよね。

 現世では散々だったけど、異世界で売れっ子かー。

 ……悪くないかも。


 うーん!

 よっしゃ!!

 もうこうなったら腹くくって頑張るしかなさそうかな!!

 やってやるぞー、作家で天下(異世界だけど)とってやるー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ