22-7
「まじか……」
「どうしよう」
3番目の道具、驚きの値段だよ。
こんなんむりだよ。
どうしよう、どうしよう。
うーん。
…………。
…………。
…………。
…………。
「そうだ! 本の印税!」
「いんぜい? なんだそりゃ?」
「えっと、作者に支払われる取り分!」
そっか、この世界では印税って言い方ではないんだね。
それはおいといて、こんな立派な建物貸してくれるくらいだから、結構稼いでいるはず!
「ゆきさんにお支払いするはずのお金をポイント換算にしても、30000ポイントですね」
ひー!
それでもたらないっ!
圧倒的に不足しているよー!
「150000ポイントはかなりの大金ですからね、すぐに用意出来るのは一部の魔法少女か、大貴族くらいでしょう」
それって、やんわりあたしたちじゃ無理って言ってるんだよね。
うーーん。
どうしよう……。
「てか、金より価値のあるって一体なんなんだ? 見た目すごいのか?」
「いえ、見た目は普通のさらさらとした赤色の粉ですよ。ただ特殊な魔法の媒介になるらしく、一部の魔法使いの間では重宝されるみたいです」
学園長って、確かに魔法の研究もいろいろやってるみたいだからね。
それにしても、あたしとエレナってまだ魔法少女なりたてで、ランキングも査定中なんだよ?
なのにこんな難易度の高い依頼を出すなんて。
「うーむ、赤い粉か……」
それとも、受付のお姉さんが依頼出すのミスしたのかな。
実はもっとランキング上位じゃないと受けられないとか、あるはずだよ……?
「エレナ、どうしよ?」
「うーむ……」
まあそんな事は今は考えても仕方ないよね。
依頼をこなすのはかなーり困難になったって事は変わらないわけだし。
そんなわけで、あたしとエレナは聖百合教の本部から出て行き、特にあてもないまま都の中を歩いた。
都内、噴水広場にて。
「と、とりあえず学園長には2つ渡して、最後の15万ポイントのやつはあたしが頑張って稼ぐって事を説明しよう?」
「うーむ……」
歩きながら考えたあたしの作戦。
それは、簡単に手に入る2つは先に渡して、難しいのは後々渡すという内容だ。
印税で3万貰えるなら、本たくさんだせば15万も不可能じゃないはず!
なんだけども、エレナの反応がいまいちだった。
何か考えているっぽそうだけども。
他に作戦があるのかな?
「ひょっとしたら、手に入るかもしれん」
「えっ」
まさかの発言。
15万ポイント相当の品物が、手に入るってどういう事……?




