22-6
聖百合教本部にて。
「実は、魔法少女の依頼で道具を探していまして」
「それで聞いたわけですね。いいでしょう、分かる範囲で答えますよ」
「助かります! このメモに書いてある道具を探しているんです」
あたしは依頼で探すよう伝えられた品物が書かれたメモを、商人ギルドの人へ渡した。
「どれどれ……」
商人ギルドの人は、それを受け取ると中身に目を通して行き……。
「上2つは問題ないかと思います。大して高額なものでもありませんし、こちらで手配しておきましょう」
笑顔でそう答えてくれた。
「おお!」
やっぱり商人ギルドの人に聞いて正解だったね。
10日以上期限あったから、探すのに時間かかるのかなって思ってたけど、意外と楽勝かも!
「ですが、最後のは難しいですね」
「俺も聞いた事ないんだが、一体なんなんだ?」
エレナも知らない3番目の品物。
これって何物なんだろ。
「今から20年くらい前、この都から遠くにある火山の洞窟に赤熱蝙蝠蛾が居たのですが、今ではそこは闇に飲みこまれしまって、鱗粉は採れないのですよ」
「ええ!」
「なので、鱗粉は現存している物しかなくて、今じゃ金よりも価値があるくらいです」
「おいおい……」
そんな!
それじゃあ自力で手に入れるなんて無理だよ!
まさか闇の中へ行くなんて出来ないし、そうなるとお金で解決なのかな。
金より価値があるって、具体的にはどのくらいだろう。
「ちなみに、おいくらでしょう?」
そういうわけで、あたしは恐る恐る値段を聞いてみた。
「マグパのポイント換算で、メモにかかれた量の購入になりますと……」
「ふむふむ」
「150000ポイントですね」
えっと、初めての依頼で貰ったポイントは確か20ポイントだったような。
うーん。
果てしない。
こんなん、お金でも無理じゃん!!
「うーむ、どうするかだな」
「そうだね」
これは困った。
学園長の依頼、クリア出来なくなるかも……。




