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22-4

「闇を払えるのは、10代の少女が使う魔法だけ」

「そうだな」

 それは学園の授業でもやったし、入学当初に聞いた記憶あるよ。

 20代でも、10代の少年でも駄目だって話だよね。


「ですが、日々の研究によって闇に対してより有効な条件が見つかったのです」

「それはなんだ?」

 条件?

 一体何だろう……。


「魔法少女同士が互いに慈しみ、愛し合う……」

「えっ」

「10代の魔法少女が手と手をとりあい、時に恥じらい、時に思いあい……」

「ね、ねえ。それって」

「そう、百合です」

「えええええ!!!!」

「お、おい。マジかよ……」

 いやいやいや!

 しかも”百合ですキリッ”ってされても。

 本当……なの?

 そんなギャグいいから。

 ね?


「なので、魔法少女の衣装に少し魔法を施したのです」

「人心操作術か?」

「そんな大それたものではありませんよ」

「じゃあなんだよ」

「ちょっとだけ、自分の気持ちに正直になる魔法です」

 いやいやいやいやいや!!

 ”正直になる魔法ですキリッ”じゃないって!

 正直になるどころか、あたしなんてずっと変な気分だったよ!


 ん?

 じゃああたしって、本当はそういうのを望んでいたって事……?


 た、たしかに百合好きだし。

 エレナ好きだし。

 むしろ、愛しているし。

 うう……。


「////」

「ゆき、なんで赤くなってるんだ?」

「な、なんでもないよ!! もう馬鹿!!」

「なんで俺が怒られないといけねえんだよ……」

「おふたりとも、仲が良いですね」

「……ま、まあ、理由は分かった。確かに公言すれば意識するだろうからな」

「理解していただいてありがとうございます」

「とりあえず、俺とゆきとセフィリアにかけた術は解除してくれ。あんな気分じゃいざって時に力も出やしない」

「分かりました」

 ふう、とりあえずこれでセフィリアも元に戻りそうだね。

 あたしやエレナも、指輪の力に頼る必要がなくなるわけだけども……。

 折角だからそのままつけておこう、結婚指輪だからね。


 ん?

 変な気持ちになる理由は分かった。

 でも名前まで変える必要ってあるのかな?


「あれ? じゃあ魔法少女の名前を変えるってのは?」

「今でこそ貴族や身分の高い子女の方も来られますが、元々この学園は孤児のみを集めて魔法少女の育成をしておりました。学園1期生は全員孤児で、名前を持っている方も少なかったので、魔法少女として活動する時に名前も差し上げたのですよ」

 なるほど、その時の伝統というか名残というか。

 だから本名の他にも、魔法少女の名前ってのが存在するわけだね。

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