22-2
依頼主が学園長の依頼を紹介されてしまった。
うーん。
学園長が魔法少女に人心操作の術をかけているんだよね。
しかもあたしとエレナは、それを知っていてかつ無効化している。
やっぱ今会うのって、まずいよね。
断ろう。
「お? 学園長も依頼するのか」
「学園長さんは、よく依頼をされてますねー」
「ふーん。じゃあこれをやるぞ」
「ありがとうございます!」
って、あたしがそう思ってる先に!!
エレナったらー!
「ね、ねえエレナ?」
「わかってるよ」
「じゃあ、詳細は学園長さんに聞いてくださいね!」
「おう、ゆきいくぞ」
「ちょ、まってよー!」
こうして半ば無理矢理に学園長の依頼を受けたあたしたちは、依頼内容を聞くために学園へと向かった。
学園に向かう道中、都の広場にて。
「エレナ」
「なんだ?」
「今学園長に会うのは、やっぱまずいと思うんだけども……」
そうだよ。
もっと作戦を考えるとかしないと!
そんないきなり……。
「ほ、ほら、ミカエルやセフィリアだって調べてくれてるわけだしさ!」
「でも、何もわかんねえんだろ?」
「そ、そうだけどもー!」
確かに、まだ何もわからなくって怪しいってだけだけども。
それでも分かってから動くとか、ミカエルに相談するとか、セフィリアが元に戻ってからにするとかさー!
「んなもん、全部本人聞けばいいじゃねえか」
「う、うん……」
その通りなんだけど、いやそうじゃなくて。
こそこそやってる事を素直に教えてくれるわけもなさそうだし……。
それにあたし達がもしも調べている事を知ったら、学園長と戦うんだよ?
そんなの勝てるわけが……。
「学園長は悪人か?」
「えっ?」
「あの人は、悪い事やってるのか?」
魔法少女を操っているってのは、多分本当だと思う。
だけど、その魔法少女は気持ちが変になる以外、特に他にはなさそうだし。
それだって、ムラがあるみたいだし。
あーもうわからんないよ!!
「分からないよ……」
「なら、直接聞けばいいだろ。いくぞ」
「へ? ちょ、ちょっとー!」
もー!
やっぱエレナ強引だよー!
あぁ、まってってばー!!




