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21-7

「この人心操作術は、強弱こそあれど魔法少女全員の衣装にかけられております」

 ひええ。

 それって考えてみるとすごい怖い事だよね。


 あれ?

 でも今のあたしは何ともないような気がするよ?


「ですが、わたくしやゆきさんやエレナさんは何ともない」

「う、うん。セフィリアがくれたこの指輪があるから」

「そうです。その指輪には人心操作術を打ち消す魔法が付与されているのです」

 なるほど、人心操作術の事にいちはやく気づいたセフィリアが、きっとあたしとエレナの為に用意してくれたんだね……。

 誰よりも早く気づいていたのに、ミイラ取りがミイラになっちゃうなんて。

 いったいなんなの……って、じゃあミカエルはどうして何ともないんだろ。

 指輪とかは……してなさそうだし。


「じゃあミカエルは?」

「……まぁ、ちょっと細工をしたのですよ」

 細工?

 あぁ、魔法少女の衣装とかにかな。

 まあでもやっぱりミカエルも術の正体に気づいて、対処したって事だよね。


「あれ、でもセフィリアにあたしの指輪をはめさせたけど、治らなかったよ?」

「ほう……、相当強い術を施されたのかもしれませんね」

「うふふふふ」

 うーん、確かにセフィリアってあらあらうふふ系お姉さんだけども。

 いつも以上にうふふ感強いし、しっかりする所はしっかりしてたはずなのに、今じゃずっとうふふだし……。

 もしもセフィリアもあたしと同じ様に対抗策を持っていたのにも関わらず、術にかかったのなら……。

 ひええ、もしかして一生こんな感じ?


「で、なんでこんな事するんだ? 魔法少女の衣装に術をかけるなんて、学園長でもないと無理じゃないのか?」

「エレナさんのおっしゃる通りです。わたくしも学園長が怪しいと思っています」

 そういえばセフィリアがちょっと前に言ってたような。

 でも、仮にそんな事をしているのが学園長だったとしてだよ?

 人心操作術をかけた魔法少女で何をするつもりなんだろう……。


 まさか、こっそり野心を持っているとか?

 合図ひとつで魔法少女が反乱して、国を乗っ取るとか?


 というか、今さらっと普通に話してるけども……。


「どうしてミカエルは学園長とか、魔法少女の衣装が怪しいって思ったの?」

 ミカエルだって、家が貴族な以外は優秀だけど別に特別な魔法少女ってわけじゃないのに。

 セフィリアもそうだけど、よくみんな気づくよね。


「最初は学園長を調べていて、それが学園全体やこの国の成り立ち、歴史、そして世界に繋がったのです」

 う、うん。

 わからない。

 やっぱ賢い人の考えている事はよくわからん……。


「今は不確定な要素が多く、推測の域を超えません。集めた情報が確かになった時にお話ししましょう」

「セフィリアは?」

「わたくしで預かります」

「うふふふ、ミカエルさんと一緒ですねえ」

 確かに、こんな状態じゃあねえ。

 でも不謹慎だけど、今のセフィリアも可愛いなぁ……。

 やっぱ次の本のネタにはあらあらうふふお姉さん入れよう。


 というわけで。

 あたしとエレナは、セフィリアをミカエルに預けて親衛隊の詰所から去ると、受けた依頼をこなすために都の中のパトロールをした後、何もなかった事に安心しつつに家へと戻った。

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