21-5
こうしてあたしたちは、ミカエルが来るまでの間待つ事となった。
セフィリア、無事元に戻ればいいけども……。
「うふふ」
うーん、やっぱり今もうふふしたままだ。
あたしと目が合ってもにこにこしているだけだよ。
でも、確かにあの変な気分のままだったら、そうなっちゃうかもだよねえ。
そんなセフィリアも可愛いけど、やっぱり元に戻さないと。
そう思っていた時。
「わたくしの友人が訪ねてきたと聞いたから何かと思えば、あなた達でしたか」
奥の廊下から、アリス衣装を身に纏ったミカエルが歩いてこちらへ来た。
「ミカエル!」
「よーう友人!」
「何の御用ですか?」
「そんなつれない事言うなよ」
ミカエルは怪訝そうな顔であたしたちを見ている。
そりゃそうだよね、特別深い間柄でもないのに友人呼ばわりしちゃったわけだし……。
あれ?
そういえばウィーンが居ないけども、どうしたんだろ。
「こいつを見て欲しい。お前なら分かるはずだ」
「うふふふ、ミカエルさんじゃないですかあ」
「……なるほどそういう事ですか」
おお。
セフィリアの様子を見ただけで、何か全部察したような感じだ。
さすがは首席、出来る……。
エレナもすごいよなぁ、ミカエルに見せれば解決するって分かってたんだもの。
「こちらへ来てください」
ミカエルはそう一言だけ告げ、再び建物の奥へと歩いていく。
あたしたちは、そんなミカエルの後を追っていった。
王族親衛隊詰所内、客人の間にて。
「ここなら誰にも聞かれる心配はありません。防音されていますし、”誰も”部屋主の許可なくして入る事が出来ません」
すごいセキュリティーってのはわかった。
部屋の中の雰囲気はエントランスと同じ感じだけども。
でもそのせいなのか、なんか落ち着かない感じがするのは気のせいかな?
とまあ、さておき。
「ねえエレナ。どうしてミカエルに話せば解決するって思ったの?」
そうだよ。
エレナよく分かったよねえ。
「セフィリアとミカエルは昔からの馴染みなんだろ? だったら何かあるかなと思ってな」
「もしも外れてたら?」
「んなもん知らねえよ。実際当たったんだから別にいいだろ」
「う、うん」
そ、そうだね。
結果的に正解だったから細かい事は気にしないだよね。
「あなた達にも話しておく必要がありそうですね」
「まー、そうだな。セフィリアがどうしてこうなったのか、お前らが何をこそこそやってたのか」
エレナは椅子に座ると、足と腕を組むとそう言った。




