20-3
あたしとエレナはセフィリアの案内で、変身した後に魔法少女ギルドへ向かった。
王都内にある魔法少女ギルドにて。
「うーん、ここかな?」
一見、普通の建物だけども……。
ちょっと広い洋館っていうのかな。
聖百合教の本拠地よりも広くない。
というか、あれ本当にすごい場所だったんだね……。
「入ってみましょう」
「おう!」
まあいいや、扉を開けてっと……。
建物の中は……、なんだろう。
全体的に木で出来ていて、カウンターがあって、魔法少女らしき女の子がいっぱいいて。
ファンタジー世界でよくある酒場だったり、宿屋だったり、そんな感じだけども。
「はーい、いらっしゃいー! 新規さん3名ご入来ー!」
うわ、すごいフリフリで丈の短いスカートはいてるお姉さんが来た!
ウェイトレスな格好もそうだけど、この感じはファミレス……かな?
「えっと、学園27期卒の……」
「エステレラさん、ヘルミーナさん、アルテミシアさんですね」
「既に知られている!」
「学園から話は聞いておりますからね!」
「ほおほお……」
「じゃあ初めてなので、こちらへどうぞっ!」
ウェイトレス風のお姉さんの案内に従って、あたしは魔法少女ギルドの中にある個室へと入っていった。
道中にいろんな魔法少女が居たけども、ちらっとこちらを見る人だったり、笑顔で手を振ったり、まるで気にもしなかったりまちまちだった。
あれだけ教祖とか崇められているから、もっと人がわしゃわしゃ来るのを想像していたけども、意外と大丈夫で助かったかも……。
魔法少女ギルドの館内にある個室にて。
”初めてでもわかる、魔法少女の生き方講座”
その部屋の壁には大きくそう書かれている。
文字が光っているから魔法か何かかな……?
それにしても、いかにも魔法少女初心者講習だね。
あたし達以外にも、学園の卒業式で見かけた人がいる。
あれ、あの子は知らないかな。
もしかして、MA学園へ行かずに魔法少女になった人なのかな。
そう思いつつも着席して周囲を見ている時、さっきのウェイトレス風のお姉さんが笑顔で現れると……。
「はーい! みんなこんにちはー!」
うわあ!
な、なに急に大声で……。
うーん、これって返事しないと駄目だよね?
お姉さん、耳に手を当てて待ってるし……。
「こ、こんにちは……」
「お、おう……」
「あらあら」
「声が小さいよー? お姉さんに聞こえてないよー? こーんにちはー!」
ひえ、何この教育番組とかヒーローショーでありがちな光景。
あたしたちそこまで子供じゃないよ!
あれ?
そういえば転生後のあたしって何歳なんだろう……?
ま、まあでも教育番組に出てくるような年齢ではないはず。
とは思うけども。
お姉さん、やっぱり耳を当てて待ってる。
これ、ちゃんとやらないと先進まないパターンだ。
「こ、こんにちは!」
「な、なんなんだ……」
「うふふ」
「はい! よく返事出来ましたね!」
ほっ、ようやく進んだよ。
てかエレナは呆れてるし、セフィリアはあらあらうふふしてるだけじゃん!
あたしだけ真面目に……ぐぬぬ。
「今日は、魔法少女となって何をしたらいいのか分からない君らに、魔法少女のやる事を説明しちゃいます! 大事な話も多いから、お姉さんの話はしっかり聞いてねー!」
やっぱりなんか教育番組っぽい。
ま、まあでも折角説明してくれるみたいだし、大人しく聞こう……。




