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こうしてあたし達は、魔法少女ギルドっていう場所へ行く事になったわけだけども。
今は普通の格好だから、魔法少女に変身しなきゃだよね。
変身しろ~、変身しろ~!
うーんうーん。
って、なんかいつも悩みながら変身するのかっこよくないかも……。
もっとこう、セリフとかポーズとか決めたら変身するようにしなきゃかも。
「ゆき、どうした?」
「どうかされましたか?」
うわあ、ふたりとももう変身し終わってる!
はやいよ!
あわわ、急いで変身しなきゃ……。
えいっ、変身だ!
「ふう」
と、とりあえずそれはまた今度考えるとして……。
やっぱり変身して魔法少女になると、なんか変な気持ちになってきちゃう。
なんだろうこれ、胸がどきどきしちゃって……。
「えへっ、エステレラだよ☆」
「ど、どうしたゆき」
「へ? あはは! なんでもないかな!」
気がつくとあたしは利き手でピースを作っていて、その手を目元に当ててポーズをとっていた。
当然、エレナはあたしの唐突な行動に軽く引いていて、それを見たあたしもふっと我に返る事が出来たわけだけども。
「エレナさん、ゆきさんに渡す物があるでしょう」
「あ?」
「あれですよ、あれ」
ふたりで何か話している。
どうしたんだろ?
やっぱ、あたしの行動の事かな……。
「ゆき、これやる」
なんだろう、指輪かな?
って指輪!
もしかして、結婚したから結婚指輪かな!
「本当に、貰っていいの?」
「おう。俺はもうつけてるからな」
そっかー!
そうだよなあー!
あたしとエレナは夫婦なんだよなぁー!
…………。
…………。
「どうした? いらないのか?」
きゃー!
またどきどきしてきちゃった///
やあん///
とろけそうだよぉ///
「い、いります! つけるね///」
「……なんで赤くなってるんだ?」
はぁ、今すぐにでもいい。
エレナに抱きつきたい、大好きなエレナともっと仲良くしたい。
だから指輪を薬指につけて……。
あれ?
指輪をつけたら、変身した時に変な気持ちがすぅっとおさまっちゃったよ??
「特にきつかったりしないか?」
「へ? う、うん。ぴったりだよ」
「そうか。良かったな、じゃあ魔法少女ギルドへ行くか」
「うんうん」
「うふふ」
もしかして、あたしが変な気分になるのを抑える魔法がかけられたとかかな?
そういえば、セフィリアが学園長に気をつけろとか、魔法少女には謎が多いとかいってたっけか。
うーん。
考えてもよくわからないや……。
ま、まあ今は魔法少女ギルドへ行こう。




