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あたしはこれからも多忙な?未来を想像しつつ、聖百合教の総本山である建物の中へ入っていった。
「なんじゃこりゃあ!!!」
「うおお!! すげえぞ!!!」
ひっ、な、な、なにこれーーー!!!
地面が大理石かなんかわかんないけど、白い石でピカピカだ!
階段とか壁の手すりが金で出来てる!
天使の羽がふぁっさーってした石像がエントランスの中心にある……、ってこれもしかしてエレナ?
なんか似ているような気がする。
と、ともかく。
ここはどこですか、天国ですか。
なんかすごい世界なんですけども。
いやまぁ、ファンタジー極まってきたねぇ……。
しかも、白いローブ被った人がうろうろしている。
うわ、あたしと目が合ったら膝ついて拝まれたちゃったよ……。
ど、どうしよ、とりあえず笑顔で手振っとこ……。
てか誰。
いや、誰というか、ここに居るって事は。
「あの」
「なんでしょう?」
「ここに居る人って……、あたしのファンですよね?」
「ファンではありません、教徒です」
ですよねー……。
やっぱそうだよね。
う、うーん、何かもう引き返せない感じあるね。
あははは……。
「そうだ。折角来られたので、ここで働く魔法少女を紹介しましょう」
おお、しかも魔法少女にもあたしのファン……じゃなかった、教徒がいるのね。
いやほら、現役の人って事はあたしの先輩なんだよね?
ど、どう話しかけよう?
「すみません、パトリシアとブランディを呼んできて下さい」
「わかりました」
そうやっていろいろと考えている中、ギルドの人は近くに居た教徒の人にそう話しかけると、教徒の人はすかさず建物の奥へと向かっていき、大した時間も置かずにふたりの魔法少女を連れて帰ってきた。
「こちらの子がパトリシアで、こちらがブランディです」
「初めまして! パトリシアです!」
あたしに紹介されたふたりの魔法少女。
パトリシアと呼ばれた子は、胸元と大きなリボンがついた、白いエプロンに丈の短い黒いワンピースでメイド服っぽい感じの衣装を着たボブカットの女の子だ。
目がすごくきらきらしていて、いかにも元気っ子って感じだね。
「……ブランディ……です」
ブランディと呼ばれた子は、チョコレート色のロングワンピースに白いエプロンの、メイド服とシスター服を足して半分にしたようなデザインだ。
襟に十字架の刺繍があるって事は、回復専門の魔法少女かな?
小柄で色白で眼鏡をかけていて、大きな熊のぬいぐるみを抱えているし、口数も少なく声も小さいから恥ずかしがりなのかも。
「あなたが教祖様と巫女様ですね! お会いできて光栄です!」
「…………」
パトリシアは目を輝かせながらあたしとエレナを交互に見ていて、ブランディは熊のぬいぐるみで顔の半分を隠しながら上目使いでこちらを見ている。
やだ、どっちも可愛い!!




