18-8
「学園長の魔法が解けたみたいですね」
学園長の魔法……?
ちょっと何言ってるのか全然分からない。
「セフィリア! どういう事なの?」
「セフィリア! 何なんだ一体?」
「あっ///」
「またかよ///」
またエレナとかぶっちゃった。
なんか恥ずかしいなあ!
って今は恥ずかしがっている場合じゃない。
正直、何が起きてるのか意味が分かんないよ?
「私はずっと学園長が何かを隠しているのではないかと思っておりました」
「で、それが魔法少女の改名と何か関係あるのか? 見た目は綺麗でも、所詮は兵士だぞ。どうせ未練を無くすためとかそういう理由だろ?」
「はい」
確かにエレナの言う事はわかる……。
魔法少女は世界の為に、闇と戦う使命があるんだよね。
いつ命を落とすか分からない、家族にだって会えなくなるかもしれない。
「だったら別にヘルなんとかでも関係ねえよ。俺のエレナって名前だって、親代わりの大人がつけた名前だしな」
だから孤児を採用しているって事なのかな?
てか、エレナって本当の名前じゃなかったんだね。
知らなかった……。
「なら、学園長がそれ以外の目的で、魔法少女たちの名前を奪っているとしたらどうでしょう?」
「む? それ以外にあるのか?」
え?
セフィリアがなんかすごい超展開な事言ってきた。
どゆことなの。
「ゆきさんに百合バーストのさらに先を試したあの日から、さらに私はいろいろと調べてきました。お父様の力や、同じく疑問を持っていたミカエルさんにも協力してもらいました」
いろいろやってたんだね……。
あたしは……、なんか自分の事でいっぱいいっぱいだったし。
作家活動とかもあって何も調べてないや。
ふたりとも忙しいのに、申し訳ないかも……。
「それで……、何か分かったのかな?」
「……分かりませんでした。うふふ」
えっ。
ここまで引っ張っておいて何もなし……?
「なんだよ……。ここまで話しておいて何もなしかよ」
ほら、エレナだってそう思ってた。
すごく思わせぶりだったよ!
「ですが、何かあるのは確かですよ」
「エレナさんには過去お伝えしましたが、魔法少女になっても学園長は関わってくるでしょう」
「あー、そういえばそうだったな」
「卒業式で魔法少女の名前を奪うって事もありましたし、学園長には気をつけてくださいね。特にゆきさん」
「へ? う、うん」
「学園長だけではありません。魔法少女の事、この世界を飲みこもうとしている闇の事、国や英雄たちの事……。どれも調べれば調べるほど不明な部分が多いのです」
「いろいろ考えてるんだなー」
そう言われると、確かによく分からない事ばっかりだ。
学園で魔法の授業を受けたけど、もしもそれが全部じゃないってなると……。
うーん。
魔法少女になっても、まだまだ何かありそうだね?
あたしたちの戦いはこれからだ!みたいな感じ。
作家と魔法少女って両立できるんかな。




