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18-7

 こうして卒業生は次々と衣装と名前を貰っていき……。


「以上で、本日の卒業式を終了します。皆様のこれからのご活躍、期待しておりますね」

 全ての学生が魔法少女へとなると、学園長は笑顔でそう一言告げて壇上から去って行った。

 それと同時に、他の学生は会場から次々と出て行った。


「卒業、おめでとうございます」

「うんうん、おめでとう。アルテミシア」

 クラスわけは攻撃メインと回復メインでわけられている。

 両クラスの卒業式だったので、あたしの友人の一人であり、十字聖教司祭の娘であるアルテミシアも当然卒業した。

 アルテミシアにもいっぱい助けてもらったからなぁ。

 あたしが改宗させられそうになったりした時とかね。


 それにしてもアルテミシアの衣装も可愛い。

 モスグリーンのロング丈なワンピースは、襟の部分に十字架の刺繍がされていて、大きなパフスリーブとか何段にも織られた姫袖とか、髪よりも長いベールをかぶっていたりして、すごく清楚な感じを出しているね。


「…………」

「どうしたの?」

 でも、アルテミシアはどこかうかなそうな顔をしている。

 どうして?

 折角みんなで魔法少女になれたのに、なんでなの?


「ふたりとも少しよろしいでしょうか?」

「うん」

 そんな表情のままそう言い残して、どこかへ行こうとする。

 ついてこいって事かな。

 なんだろ……。


 あたしは疑問に思いながら、アルテミシアの後を追っていった。



 学園を出て街はずれの場所にて。


「ねえどうしたの? こんな人気のないところで」

「そうだぞ。今日はめでたい日なのに、一体何なんだ?」

 ヘルミーナの言う通りだ。

 こんな日なのに、道中もずっと表情は曇ったままだった。

 本当、どうしちゃったの?


「やはりそうでしたか……」

 ねえ、何があったの?

 あたし達でよければ、何だって相談にのるよ?

 だから、困った事があれば打ち明けて……。


 そう思い話しかけようとした時。


「はっ!」

 アルテミシアは少しの間手を組んで祈った後、組んだ手を解いてあたし達へと向けた。

 この時、あたしは何か突風なようなものを感じてしまうけども、気のせいかな?


「お気分はいかがでしょうか? エステレラさん、ヘルミーナさん」

「ん? あたしは大丈夫……」

「あ、あぁ。俺もだ」

 えっ?

 なにかやったの?

 わからないよ……。


 ってかあの……。


「でも、なんでエステレラなの? あたしはゆきだよ?」

「どうしてヘルミーナなんだ? 俺の名前はエレナだぞ?」

 そうだよ、あたしはゆきだよ。

 どうして名前間違えているの?

 全然似てないし、どうしたんだろ。


「あっ」

「おっ」

 どうやらエレナも同じことを思っていたらしい。

 ってヘルミーナってなんぞや……。

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