18-6
「ゆきさん、壇上へ」
「は、はいっ!」
うお、いよいよあたしの番だ。
うう、なんか緊張する……。
今のあたし、すごい歩き方ぎこちないと思う。
はぁ、すごいどきどきしてるよ。
やばい、てんぱってるのばればれだ。
とりあえず壇上へ登ってっと……。
「さあ、目を閉じてください」
「はいっ!」
それで、学園長の目の前に立って、目を閉じればいいんだね?
今度こそ間違ってないはずだ。
よし、目を閉じてっと……。
「あなたは皆を導く星……」
なんだろう。
今まですごく緊張していたはずなのに、今度は体がなんだかぞくぞくしてきた。
胸から何か溢れてきそう。
「どんな闇に飲みこまれようとも、人々を愛と希望で照らす星……」
うぅ、学園長の言葉に集中してたら意識が遠くなって……。
やだ、何この感覚……。
頭の中真っ白になっていって……。
ぞくぞくが抑えられない、止まらないよぉ。
…………。
…………。
…………。
…………。
「あなたには魔法少女衣装と、魔法少女名”エステレラ”を与えます」
気持ち、抑えられない。
もう我慢、できない。
「えへっ、あたしはエステレラだよっ☆」
自らの気持ちに体を委ね、理性を手放したあたしは変身を終えると、ピースの形をした手を目元にあてて決めポーズをとっていた。
その後、昂る気持ちを残したまま壇上を降りて、愛しのヘルミーナのもとへ戻った。
「おお、エステレラも似合うな!」
あたしは自分の着ている衣装を見た。
青いワンピースは裾やパフスリーブの袖が白いふりふりしてて、コルセットっぽいベルトとか胸元に星の飾りがついているね。
スカート丈は膝よりちょっと上かな。
腰についたシフォンのひらひらとか、大きな蝶々リボンとか、なんかこう妖精って感じだね。
アリス辞退しちゃったけども、これも可愛い。
あと、なんだろうこの感覚。
魔法少女の衣装が体にフィットしているというか、あたしとひとつになってる感じがする。
でもそれが余計どきどきしちゃって、変な気分になっちゃってる///
「えへへっ、ヘルミーナもだよ」
あたしの大好きなヘルミーナ。
これでふたりとも魔法少女になったんだよね。
なんかこんな格好で話し合うと、どきどきしちゃうね。
「ヘルミーナ、卒業おめでとう」
「エステレラもな」
「……愛してる///」
「……俺もお前が好きだ///」
だから普段なら言えない事だって、なんかこう言っちゃったりしちゃう。
やーん、ますます興奮してきちゃう///
「これからも俺と一緒に頑張ろうな!」
「うん! あたしこそよろしくね!」
でも、何だか大切な事を忘れているような気がするけども……。
まぁ、いっか!
こんなに気分いいんだもーん☆
挿絵作:だらぶち
挿絵衣装参考:milky ange エステレラ・ミニ




