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「それではミカエルさん、こちらへ」
「はい」
卒業式で、魔法少女として活動する時に着るフリフリ衣装を受け取る順番は、グランドリリィからというのを事前に聞いていたあたしは、ミカエルとすれ違うようにして壇上から去った。
「エレナ、ごめんね」
「あ? 何で謝るんだ?」
「えっ、だって折角のグランドリリィだったし……」
「ゆきはなりたくないんだろ?」
「うーん、なりたくないというか……、あたしじゃないと思って」
「まぁ、ゆきがそうしたいならそうなんだろ。俺はゆきを信じる」
そう言うとエレナは、にかっと笑顔を見せてくれた。
なんだか認められたみたいで、嬉しいかも。
「あなたを今期の首席と認定し、グランドリリィの称号と魔法少女衣装・アリスを与えます」
「ありがとうございます」
ふと気になったんだけども。
衣装を与えるってどうするつもりだろ?
ま、まさか、こんな人が見ている中で着替えるの!?
公開ストリップとか、ぶっとびすぎでしょ!!
そんな駄目だよ!
いろいろとさ!!
「さあ、それでは目を閉じてください」
「はい」
やっぱりそうなのね!
いや、そりゃ見ないように目は閉じるけども……。
なんかこう、ねぇ。
……やっぱ気になるよね?
恐る恐る目を開けて……、ちょっとくらいならいいよね?
「あなたは大いなる光……」
ってあれ。
誰も目を閉じてない。
むしろミカエルが閉じている?
も、もしかして、見ている人じゃなくてミカエルに言った……?
あたしの勘違い?
は、はずかしー///
学園長が何やらぶつぶつ言ってる、なんだろ。
「強い正義を宿した、深き闇に切り裂く剣……」
うわっ!
急にミカエルが光って……、着ていた学生服がみるみると変化して……。
おお、なんか魔法少女の変身シーンっぽい!!
しかも裸の部分は光ってて分からないとか、なんという気配りなの。
おお、衣装の変化終わった。
あれが今期のアリス衣装かぁ。
青地のワンピースに白地のエプロンっていう特徴はそのままなんだけど、腰回りが編み上げになってたり、フリフリの姫袖になってたりしていて豪華な感じだ。
うーん、やっぱ可愛い。
しかもミカエルに超似合ってる……。
「これからの活躍に期待しておりますよ」
「ありがとうございます」
なるほど、こうして魔法少女が生まれていく?わけだね。
なんだか感慨深いね。




