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18-3

「どういう事……」

「折角首席になれたのに……」

「何やってるのあの子……」

 卒業式の会場がざわつく。

 本人はこそこそと話していると思うけど、丸聞こえだね……。


「辞退……とはどういう意味ですか?」

 周りの人は驚くには分かっていたけども。

 普段はしっかりとしていて、平静そのものな学園長も、流石にあたしの発言に驚きを隠せなかった。

 やっぱ意外だよね。


「あたしは、グランドリリィにはなれません。相応しくないです」

「ゆきさん。あなたは立派に学業に励み、そして決定戦でも勝ち抜きました。十分グランドリリィになれる資格は持っていますよ」

 うーん。

 確かに、あたしは頑張ったと思っている。

 だけども……。


「そ、そうじゃないんです!」

 ずっと引っかかっていた。

 ずっと気になっていた。


 この首席の座は、本当にあたしの力なのかなって。


「あたし……、正直よく分かんなくって……」

「実感がないという事でしょうか?」

 勇者の手袋に百合バースト。

 前者は間違いなくあたしの力じゃないけど、後者もなんだかいまいち実感がなくて。

 いやだって、いきなり”魔法力よわよわだけど、実は強かったです”とか言われても、そんなの分からないよ?


「そ、それもありますけども。でも、えっと……。あたしじゃ駄目だと思うんです!!」

 それにグランドリリィって、みんなの希望とか憧れとか。

 なんか偶然にとっちゃっていいものじゃないと思うんだよ。

 もっとしっかりと実力とか実績とか兼ねた人が選ばれるべきなんだよね。

 あたしは元々作家だし……。


「な、なら! グランドリリィに選ばれたあたしがっ、他の候補者を言います! ミカエルさんお願いします!」

「ゆきさん、どうしてわたくしなのですか?」

「いや、えっと、その……」

 そんな役には、きっとミカエルような人が似あっているって思っているんだ。

 どうしてって言われると……。

 うーん、思ったまま言っても納得してくれ無さそうだし……。


「アリスが似合うのは、ミカエルさんだからですっ!!」

 割と思い付きで言ったけども、ミカエルなら確かに似合うかもだなぁ。

 見た目もきれいだし、アリスの金髪碧眼のイメージに沿ってるし。


「グランドリリィに選ばれた魔法少女は、自動的にランキング10位となり、王宮直属の魔法少女部隊への参加資格を得る……」

 ランキング?

 直属の部隊?

 何を言っているんだろう……。


「確かに、”見た目だけを気にしている”あなたにグランドリリィは相応しくありませんね」

 うぅ、ミカエルの視線が何だか冷たい。


「本当によろしいのですか? ゆきさん」

「はい」

 でも、これでいいかな。

 あたしは納得しているよ。


「かしこまりました。そこまで言うならば本人の意思は尊重されるべきですね。それでは急遽変更し、グランドリリィとアリスはミカエルさんへお渡しします」

 あれ?

 そういえば、エレナ何も言ってこなかったような。

 なんでだー!って来そうだと思ってたのに……、意外かも。

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