表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/420

18-2

 グランドリリィ決定戦で起きた怪現象の原因が百合バーストだったというのは、なんとなくだけども分かった。

 それでもあたしは、まだこうすっきりしない感じがしていた。



 そして学園卒業式当日。


「みなさん、ここまで長らくお疲れ様でした」

 あたしのクラスメイトと回復専門のクラスの人らが、かつて舞踏会をやった部屋に集まっている。

 全員で……、20人より少ないかな?

 あたしもその中のひとりで、これから学園を卒業するんだよね。


「これからはこの世界の為に、闇と戦っていく事になります。それはとても厳しく、辛く、果てしない戦いです」

 でも正直、何が何だか訳が分からないままだよ。

 トラックに轢かれて異世界転生して、したと思えばいきなり戦わされて魔法少女見習いになって、百合バーストが使える様になったり、勇者の手袋で自分の力を引き出せるようになったり……。


「ですが、あなた方こそ、この世界に再び光をもたらす希望だと信じております」

 こんな気持ちなのに、首席だもんなぁ。


「そんなあなた方に、これから魔法少女として戦う衣装を、学園から贈らせてください。最初に首席の方から、次は順不同で行いますね。それでは今期生首席のゆきさん、壇上へ来てください」

「はい」

「ゆきさん、卒業おめでとうございます」

「ありがとうございます」

 あーもう!

 こんなの違うよ!

 やっぱ駄目だ、こんなんじゃ駄目だよ!!


「それでは、グランドリリィの称号とアリスを……」

「あの、ちょっと待ってください」

「どうしましたか?」

「あたし、グランドリリィを辞退します」

 あたしは見ている人にも分かるくらいにはっきりと、明瞭で、しっかりとそう発した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ