17-6
「本来なら、あなたと共に発動する百合バーストをひとりで行う……」
ひえええ。
ミカエルが……、ミカエルがゆっくりと歩いてくるよ!
こ、こわい。
「察しの通り、かなりの負荷がかかります」
へえ、そ、そうなんだ。
初耳だよ。
でも、今はそれどころじゃないし!
めっちゃ威圧感半端ない!!
ううぅ……。
「今はまだ無理でも、必ずこの力を制御してみせます」
わかった!
わかったから!
だ、だからこれ以上迫ってこないで、ね?
も、もういいから!!
「これで終わりです!!」
「ひっ!」
ミカエルが地面に杖を突き刺して、腰を落としたこの構え……。
しかも、杖に光が集まってきて!
こ、これってもしかして、恐竜の闇を討伐した時のやつ!!
げげげげ!!!
あんなの受けたら魔法力尽きるどころか死んじゃうって!!
お、脅しだよね……?
「超光魔法カタストロフィ!!」
ほ、ほんとうに撃ってきた!!
ひいいいお助けええ!!!
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
あ、あれ?
なんとも……ない?
確かに目の前が真っ白になっちゃって、それから何だかよくわかんなくなっちゃって……。
そうだ!
魔法力!!
ゆき:140000。
ミカエル:2800。
うお、ミカエルの魔法力がほとんど空になってる。
って、あたし何も変わってない!
なんで……。
もしかして、ここであたしの魔法防御が発動した?
そんな都合のいい事ってある……?
「やはりそうでしたか……」
いやいや、何を納得しているの。
あたし完全においてけぼりだよ?
「学園長、この試合はわたくしの負けです」
「勝者、ゆきさん。よって、今期生のグランドリリィはゆきさんです」
ええええええ!
あたし、勝っちゃったの……?
うそお!!
あたしが、……グランドリリィ?
もしかして、アリス着れる……?




