17-5
「やああああ!!!!!」
もうこれしかない。
あたしの起死回生の一手!!
それは、あたしの魔法力具現化能力。
今までは剣や盾にしていたけど、今は違う。
斬るため剣じゃ駄目だった、防ぐための盾でも駄目だった。
結界を突破したウィーンは、瞬間的に魔法力をあげて攻撃したんだと思う。
そう、断続的な攻撃や範囲での攻撃じゃ駄目。
瞬間的で、かつ集中した一撃じゃないといけない。
だったら、魔法力を一点に集中させて……。
ミカエルの氷柱と、光の壁を貫ける武器を生み出す!!
「貫けええええ!! 勇者の槍!!!!」
やったあ!!
ミカエルの氷柱攻撃を貫けた!!!
「わたくしの魔法を貫いて……! 結界をも破壊して……!!」
「いっけええ!!!!」
あたしの思い、力。
全てを貫いて、ミカエルに届けええええ!!!!!!
…………。
…………。
…………。
…………。
無我夢中で攻撃して、結界を壊してミカエルへ槍があたったところまでは覚えているけども。
それ以降の事はわからない。
…………。
…………。
…………。
…………。
でも、今あたしの目の前に居るミカエルは、その場で膝を折ってとても苦しそうにしている。
「はぁ……、はぁ……」
や、やった!?
そうだ、魔法力は!
ゆき:140000。
ミカエル:73000。
おお!
めっちゃ効いてるよ!!
「お、お見事です……」
「ど、どうだっ!」
も、もう参ったしよう?
あたしもこれ以上はちょっときっついかも……。
「ですが、この程度では負けませんよ」
ひえ、でも立ち上がったよ。
どんだけ負けず嫌いなの。
「……仕方ありませんね」
ミカエルの周囲に光の粒が集まってきて……。
ひっ!
まさかこれって!!
「神聖解放強化!!」
げげ、背中に光の羽が出た!!
セルフ百合バーストで、しかも全開だよ!!
ってことは、魔法力は……。
ゆき:140000。
ミカエル:800000。
う、うそお……。
今まで使った魔法力も復活してるよ!!
インチキすぎるよ!!
ずるいよ!!
ど、どうしよう……。
今度こそやばいかも……。




