17-2
「それでは試合、始めてください」
あたしがどう考えようとも、悩もうとも……。
学園長はグランドリリィ決定戦の最終戦開始の合図を宣言した。
「さあ、どこからでもどうぞ」
おお、ミカエルが杖を出してそれを振ったら背中から天使の羽っぽい光がふぁっさーしたぞ!!
なんだこれは!!
なんなんだこの演出は!!!
やる気まんまんだよ!!!!
どうしよう。
「なら私だってやるっきゃないよ!!」
そうだよ!!
気持ちで負けちゃ駄目なんだ!!
魔法力だって、ほとんど同じはずだよ!
ミカエル:710000。
ゆき:550000。
ん?
ミカエルさん、ちょっと増えてません……?
はっ、そうだ!
あのふぁっさーしたの、別に威嚇とかじゃないんだよ!
たぶん、あたしの予想だと百合バーストっぽいものを全開するんじゃなくって、小出しにしている状態ってわけだよ!
いやいやいや、それってものすごい極めているって事だよね……?
うぅ、オリジナルのあたしの立場が……。
「やあああ!!!」
こうなりゃもうどうにでもなれだ!
勇者の剣、受けてみろー!
おりゃーー!!
「うううぐぐぐ……」
手、手がし、しびれる……。
こ、これって、ウィーンの時の結界……。
「この結界を突破しない限り、わたくしに傷一つ負わせる事も、魔法力を減らす事も出来ません」
その言葉を聞いたあたしは、部屋の上部にある魔法力の表示を見る。
ミカエル:700000。
あたし:510000。
うぅ、確かに……。
魔法力の表示が、あたしの方がいっぱい減っている。
で、でも!
たとえ防がれても!
「おりゃおりゃっ!!」
それでもあたしは攻撃するしかないっ!
何度も叩いて、叩いて、たたいて……。
うう、やっぱり手が痛い……。
「何度やっても無駄ですよ。その程度の魔法力ではわたくしには通じません」
な、なによ!!
ウィーンはあたしよりももっと少なかったよ!!
それなのに、結界は破壊出来ていたよ?
でも、あたしは壊せない。
なんで……。




