16-9
2日目の試験が終わり、戦いの場所として使われていた広間にはあたしとエレナとセフィリア、そして学園長だけが残った。
「おめでとうございます。ゆきさん、エレナさん」
「う、うん。ありがとう///」
「お、おう……///」
セフィリアは両手を合わせていつも以上ににこにこしながら言ってる。
うぅ、なんか実感出てくると恥ずかしいなあ!
「おふたりとも見事でしたよ」
学園長もそんな事言ったら、こっちが恥ずかしくなるでしょ!
見事って……、あたしの告白そんなに見事だったのかな。
あんなたくさんの人の前で言えば、そう思われるのも無理はない……かも。
って、今は照れている場合じゃなくて!
もっと大事なこと聞かないと!!
「あの、学園長」
「はい。なんでしょう? あぁ、学生同士の結婚には特に制約はございませんよ」
「いやまぁ、それもあるんですけども」
言われてみれば、確かに学生同士だったね……。
それも大事なことなんだけども、もっと大事なことがあって……。
「女の子同士で結婚……できます?」
そう、そこが問題なんだよ。
前世じゃ法律が認めてくれなかったし、周囲からの目も冷たくて厳しかった。
だからここの世界ではどうなのかってのを聞きたかったんだ。
百合本が受け入れられたから、じゃあ大丈夫!だなんてわけでもなさそうだし。
もしも駄目って言われたら……。
その時は、エレナと駆け落ちでもするしか……?
「出来ますよ?」
っていいんかいっ!
学園長のこの顔。
まるで”何を当たり前な事を聞いているのですか?”みたいな感じだし……。
あたしが気にしすぎなだけ……?
「ゆきさんがどこからこられたかは分かりませんが、ここの国では同性での婚姻は認められております」
じゃあ、とりあえずエレナとは結ばれる事は確約されたわけだね。
エレナが旦那様かぁ。
いや、むしろ奥様?
うーん、これはどっちがどっちをするか問題だ。
性格からいって、やっぱエレナは旦那様かも?
…………。
…………。
やーん!
はずかしいよぉ!
「式はいつにしましょうね~。うふふ、是非呼んで下さいね」
セフィリアがノリノリだ……。
さっきからエレナも真っ赤になったまま無言だし。
……照れてるエレナもかわいいなぁ。




