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百合教祖 ~現世では売れない百合同人作家でしたが、異世界で作品を広めたら教祖として崇められました~  作者: いのれん
maGicaL 16 魔法少女の卵になった百合作家、首席候補になる 2日目
124/420

16-8

「うーん」

 エレナはまるで引く気が無い。

 あたしは棄権出来ない。

 でも、エレナじゃあたしを傷つける事は出来ない。

 あたしはエレナを傷つけたくない。


 なにこれ!

 詰んでるよ!!


「どうした! 来いよ!! 同情なんていらねえ!!」

 エレナ、そんなやけくそにならないで……。

 あたしも考えるから……。


 何か、何かいい方法が……。

 全員が幸せになれる答えがあるはず。

 それを考えて、見つけて……。


 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


 ああああ!!!

 だめだ~~!!!

 こんな時なのに百合本の事しか思いつかないよー!

 なんて不謹慎、空気読めないのあたしのあたま!


 いや?

 百合本?

 こたえが……、……あったかも!! 


「エレナ!」

「なんだ?」

 そうだよ!

 あたしは百合本を描く作家なんだよ!

 だったもう答えはひとつしかないよ!


 恥ずかしがらないよ、決して後悔もしない。

 自分の気持ちに素直になろう!


 すぅー……。


「あたしと結婚しよう!!!」

「へ?」

「あたしの結婚しようよ! エレナー!!」

「はぁぁあああ!?!?!?!!?!?!?」

「あたしはエレナが好きなんだ!!」

「ちょっ、お前!! 何わけのわからん事言ってるんだよ!! 馬鹿じゃねえの!!!」

「馬鹿でもなんでもいいよもう! あたしは自分に正直に生きるもん!!」

「意味わかんねえよ!! だいたい、そういうのはこんな場所で言うもんじゃねえだろ……///」

「うっ、それはまぁそうだけども……」

「……てかお前、それで俺を動揺させるつもりか?」

「ううん、違うよ。本気だよ」

 胸がすごいどきどきしている。

 心臓が爆発しちゃいそう。

 体も熱いし、なんか目の前の潤んできちゃって。


「あたし、エレナが好き。ずっと一緒に居たい」

 それでも、エレナの方を向いてしっかり伝えたい。

 あなたの事が好きって。


「ば、ばかやろうっ///」

「大好きなエレナと戦いたくないの」

 最初はちょっと乱暴だけどいい人くらいだった。

 でも、一緒にすごしていくうちにだんだん気持ちが変わっていって。

 今はあなたがすごい好き。


「それに、ふたりで力合われば、エレナの残された家族の生活だってきっと大丈夫だろうし……」

「……じゃあなんだ? 俺と俺の家族全員の面倒を見るっていうのか?」

「そ、そうだよ!!! だってエレナが好きなんだもん!!!」

「だから連呼するなって///」

 そ、それにさ!

 あたしの作家活動で稼いだお金!

 まだ全然もらってなかったけども、あんだけ売れればきっとすごい金額だよ!!

 そうすれば、パトロンをつける必要もないよね?

 ……それにさ、エレナの他の誰かのとこ行っちゃうの、いやだもん。 


「はぁ、全くお前ときたら……」

 エレナは杖をゆっくりと下ろし、構えをといていく。


「俺は俺と家族の食い扶持の為に魔法少女になろうとしてきた。今もそれに変わりはねえ」

「エレナ……」

 うん、知ってるよ。

 だからあたしも一緒に守るよ、手伝いたいの。


「ゆきは家族だから、守ってやらないとな」

「エレナ……!」

「学園長、俺はこの戦いを降りる」

「勝者、ゆきさん」

 こうしてあたしとエレナの戦いは、あたしの結婚宣言によって終わった。

 ミカエルとウィーン、エレナとあたし。

 それぞれがそれぞれの絆を確かめる戦いになったわけだね。


 ……きゃー!!

 戦い終わったら急に恥ずかしくなってきたよおお!!!

 みんなの前でここここここ告白とか///

 やーん///

 恥ずかしいぃ……。

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