16-6
「それではエレナさん、ゆきさん、来てください」
「おう!」
ひっ、いよいよあたしの番が来た……。
エレナは……、やる気満々だ。
「ねえエレナ」
「なんだ?」
「ずっと気になってたんだけども」
戦う前に前々から考えていて、聞けなかった事がひとつだけあった。
「入学の時の舞踏会でさ、どうしてあたしを狙わなかったの?」
あの時エレナは点数稼ぎのため、また自分が生き残るために強そうな相手を避けていた。
それならどうしてあたしは狙わなれなかったのかな?
魔法防御は高いけども、まだ勇者の手袋も百合バーストも無かったのに。
魔法力だって10だったのに。
「魔法力を感じなかったからな。何か隠していると思った」
「な、なるほど……」
逆に低すぎて、奥の手があるとか思われてたんだね。
エレナって猪突猛進なイメージだけど、意外と慎重なのかも?
「だから今日は思いっきり攻めるからな。ゆきも手を抜くなよ?」
「う、うん」
ですよねー……。
うぅ、本気のエレナ相手とか……。
ちなみに魔法力はどのくらいだろ。
エレナ:102000。
ゆき:550000。
あれ?
エレナの魔法力が初日より増えている……?
ミカエルと戦った時の、あの謎パワーアップを経たからなのかな。
むぅ、ミカエルといいエレナといい、みんなパワーアップしすぎだよ!
「開始してください」
「いくぞ!!」
ひぃ、く、くる!!
どうしようどうしよう……。
「オラオラ!!」
うわ、エレナの杖を振ったら光弾がたくさん飛んできたよ!!
しかもめっちゃ振り続けているからばんばんきてる。
弾幕シューティングみたいだ!!
ひええっ……。
と、とりあえず何か防ぐ方法……。
って考えたけど間に合わない!!
全部当たっちゃう!!!
「うぅ……」
エレナ:91000。
ゆき:550000。
あ、あれ?
めっちゃ派手だったし、おもいっきり当たったけど効いていない……?
「はぁ!? なんで魔法力1も減ってねえんだよ!!!」
いやほんとうにそうだよ。
な、なんでだろうね?
あはは……。
「おい! 学園長!! 魔法力測定器の故障じゃねえのか!!」
「いえ、正常に動作していますよ」
「んだとぉ~!」
あれかな、鉄壁の魔法防御だから効かなかったとかかな?
そうなると、ウィーンの攻撃は魔法力減ってたよねえ……。
ミカエルをも追い込んだだけあって、威力がそれなりにあったって事なのかな。
うーん、自分自身がよくわからない。




