16-4
「これで終わりです。ミカエル様ご覚悟を!!」
なんかウィーンの拳の光が大きくなった。
いよいよ決めに行くんだね!
どきどき……。
でも、本当にミカエルはこのまま負けちゃうのかな?
あんだけ散々威張っていたのに、従者に負けましたエンドなんてちょっと冴えないような?
そう思った時……。
「ひっ」
「な、なんだ?」
ミカエルの体が急に光って、ま、まぶしいっ!
何も見えない、何が起こったの?
…………。
…………。
…………。
…………。
「おい! ゆき! 見てみろ!!」
「う、うーん」
いきなりピカってなったから、まだ目が慣れない……。
エレナ、一体どうしたって言うの……。
「えっ……」
光は止み、目を何度も擦ってようやくミカエルの姿を見た時、あたしは一瞬思考がフリーズした。
「わたくしは嬉しいです。ウィーンさんがここまで成長されていたなんて」
「え? えええええ!!!」
「お、おい……。あれって……」
なんと、ミカエルからは黄金色の光が常に放出されており、背中には同じ色の翼が生えていたのだ。
「馬鹿な! 百合バーストはゆきの力無しでは無理なはず!!」
そうだよ!
あたし百合バースト使った覚えないよ!
でもあの神々しい姿って、どうみても実地試験の時と同じだよね……。
何の間違いなの。
「そう、ゆきさんじゃないと出来ません」
「ならそのお姿は一体……」
もしかしあたし、遠隔で百合バースト出来るようになった……?
いやいやいやいや!
真剣勝負やってるのに、あたしがそんな援護なんて出来るわけないでしょ!
だいたいそんなの反則だし……。
でも、本当にどうなってるの。
「これは百合バーストを参考にわたくし自らが考えた強化魔法、神聖解放強化!!」
なんかまた仰々しいというか、中二というか……。
すごいネーミングだ。
ん?
強化魔法を自分にかけた?
という事は……。
ウィーン:210000。
ミカエル:800000。
ひええっ。
ミカエルの魔法力があがってる。




