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2-7

「何を悲しんでいる? ここは本番ではないとはいえ戦場だぞ?」

「……確かにエレナはいろんな人を脱落させたよ」

「ああ、散々そいつがやってきた事だ。それをやっただけなのに何故お前はそんな目で私を見る?」

「あなたのやり方があんまりだからだよ!!」

 そうだ。

 この人のやり方は間違っている!!!


「どうしたのですか? ウィーンさん」

「ミカエル様!」

「まだ他の魔法少女見習いが居りますわ。こんなところで時間を使っている余裕はありませんよ」

「申し訳ございません」

 あたしと褐色の女の子との口論の中。

 何の前触れも無く、ストレートの金髪の美人さんが現れて褐色の女の子と何やら話をしだした。


 そしてなんと、二人はあたしと意識のないエレナを無視して別の場所へと向かおうとしたのだ。

 まるであたし達が見えてないというか、眼中にないみたいな。

 むっかー!

 なんなのもう!!


「ねえ! あんたたち!!」

「……?」

「エレナをやっつけておいて、何もないわけ?」

 ここが戦う場所だから、エレナが負ける理由も可能性も十分ある。

 でもただ戦闘不能状態にするだけじゃなくて、あんな暴言をはいた上に杖まで壊すなんて!

 許さないんだから!!


「ウィーンさん、彼女から魔法力を感じますか?」

「いや……」

「やはり、わたくしも同じです」

 あたしがこんなにも怒ってるのに。

 どうしてこの人らは全然関係ない話をしてるの……。


「恐らくは何かの手違いなんでしょう。可哀そうに。ここは危ない場所ですわ、さあ学園長の所へ」

 しかもこちらに手を差し出してくるとか!

 はぁぁあああ!?

 馬鹿にしないでよ!!


「ちょ、ちょっと!」

「はい?」

「あたしだって参加者だよ!」

 こんな勘違い、美人だろうとも許せない!

 手ひっぱたいてやろうとしたけど避けられるし、むっきー!


「ですが、あなたからは魔法力を感じません。本当に魔法が使えるのですか?」

 うぐ。

 あたし魔法使えない。


 で、でも!

 今ここで使えませんなんて言ったら即退場だ……。


「……つ、つかえるさ!! 馬鹿にしないでよね!! あんたなんかよりよっぽどすごいんだから!!!」

 へへ……。

 へへへ……。

 言ってやった、言ってやったさ……。

 こうなればもうやけくそだ。

 さあどうにでもなれ!

 やれるもんならやってみろー!


「お、お前……」

「ほほう、面白い方ですわね……」

「み、ミカエル様」

「ウィーンさん下がってなさい」

 美人さんは表情こそ笑顔だけど、明らかにさっきと雰囲気が違う。

 今まであたし達に強気だった褐色の女の子も急におどおどしだすし。

 あれ、もしかしてあたしってまずい展開に入ったの……?


「いいでしょう。そこまで言うならばわたくしが直々にお相手しましょう」

 でもなんでこんな勿体ぶってんの。

 ここに居るって事は、同じ魔法学校の入学者なんだよね?

 だったら、魔法使えるたって、そんな大した事……。


「ねえねえ、名門お嬢様に喧嘩売ったのってあの子……?」

「うわぁ、世間知らず……」

「かわいそうに」

「……死んだわね」

 げげ。

 周りの声聞いてしまったよぉ……。

 名門のお嬢様?

 世間知らず?

 そ、そんなにやばい相手だったのこの人!?


「あなたの魔法力……、わたくしがざっと感じたところ……」

「むぅ……」

「10あればいいところですね」

 それって高い……わけないよね。

 この話の流れだとむしろ低い方だよね。

 10がどんなもんかは分からないけど、なんか馬鹿にされてるみたいで腹立つなぁ。


「わたくしの魔法力を教えましょう」

「…………」

 何このバトル漫画でありがち展開。

 どうせ53万とか125万とか言ってくるんでしょ?


「わたくしの魔法力は50000ですわ」

 あれ、意外と高くなかった。

 それでもあたしの5000倍だけども。

 でもほら、そこはもっと非現実的な数値を言うところでしょう……!

 なんか盛り上がらないなぁもう……。

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