15-8
突然エレナの魔法力がとんでもない数値に!!
な、なにが起こってるの……?
「エレナ!!」
えええええ!
しかも、今までぐったりとしていたエレナが自分から立ち上がったよ!
なんで、どうして?
いやまあ嬉しいんだけどさ、ちょっと唐突というかなんというか。
「意識が戻って良かった! もう立っても大丈夫なの?」
「…………」
あれ、反応無い。
どうしたんだろう。
「どこも痛くない? 気分悪いとことかない?」
「…………」
しかも表情にどこか生気がないというか、何だか虚ろな感じ。
本当に大丈夫なのかな……?
「え、エレナ……?」
「ゆ、ゆき……」
ようやく反応してくれた。
でもやっぱりどこかぎこちない……って!!
ええええ!!
倒れたよ!!!
「ただちにエレナさんを医務室へ運んでください!」
いつも穏やかな人なので、何か慌てている。
そんなに危ないの?
いやまあ、確かにただ事じゃなかったけども……。
「学園長! エレナは!!」
「分かりません。おそらく無意識の中で眠っていた力を発揮したのでしょう」
人間は本来、自分の体を自分で壊さないように全力が出せない。
それを無視してすごい力を出せるっていうのは、バトル漫画でよくありがちなパターンだけど……。
「ですが、それでもあの力は魔法少女見習いのものではありませんね……」
そうだよ!
元々6万だったのが100万だよ!
潜在能力とか、そういうレベルじゃないでしょ!
「エレナさんは伝説に残るくらいの逸材なのか、それとも別の……」
「別の……?」
「今は考えるよりも、エレナさんの治療へ向かわないといけません。本日の試合は終了しましたので、これには解散となります。残りの時間は自習をしてください」
こうして初日の試験は終わった。
結局ミカエルとあたしが1勝、エレナとウィーンが1敗という結果だ。
だけど、ただ勝敗がついただけじゃない、いろいろと波乱のある戦いだった。
初日でこんなにいろいろあるなんて、残りの試合どうなるんかな……。
あと学園長が言いかけていた別の……って、何だったんだろう?




