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14-7

エレナ視点。

 …………。

 …………。

 …………。

 …………。


「こ、ここは……?」

 お、俺は何をしてた?

 ここは……、どこだ?


「ようやく目が覚めたか」

 こいつは……、誰だ?


 …………。

 …………。


 って誰だじゃねえ!


「てめえ! 何やしがった!!」

 俺に一服盛りやがったこのインチキ魔法使い!

 騙された俺も俺だが、でもそれとこれは別だ!!

 こいつ……!


「魔法力をあげたいんだろう? その手伝いをしただけだ」

 はぁ?

 魔法力をあげただと!


 …………。

 …………。


 何にもなってねえじゃないか!!

 だいたい、俺は何もしてないぞ?


「5日か、予想通りだな」

「どういう事だ!」

「君が眠っていた日数。私の思った通りだった」

 しかも5日も寝てたのか!!

 てか寝てて魔法力があがるかよ!

 くそ、なんてやつ……!


「お前……!」

「学園から5日も離れた。戻らなくていいのか?」

 ちっ、今はこいつを問い詰めている場合じゃねえ。

 確か、長い時間戻らないと逃亡とみなして退学処分になったはず。

 5日なら大丈夫だとは思うが……、それはあくまでミカエルのような出自がはっきりとしている奴だけだ。

 俺のような帰る家もない奴は、そのまま逃げてどこか野垂れ死んでいるとか思われかねない。


「くっ! 後で覚えておけよ!!」

「またな」

 こうして俺は何が何だかわけがわからないまま、魔法使いアルの家から去って行った。

 そして真っ先に学園へ戻り、学園長の執務室へと向かった。



 MA学園、学園長の執務室にて。


「心配してたのですよ」

「ほんとだよー」

 ふたりは本当に心配してくれている。

 ゆきなんか今にも泣きそうだ。


「もー、何してたの?」

「え? いやーまぁ、ちょっと個人的に魔法の練習を……」

「これからは連絡してくださいね」

「ああ、悪かった」

 俺は魔法使いアルと出会った事や、その場であった出来事を話さなかった。

 別にこれっていう理由があるわけじゃないが、何か話したらいけないような、そんな気がしたからだった。


「グランドリリィ決定戦は明日になります。今日はもう休みなさい」

「そうだな」

「エレナ、本当によかった……」

 ゆき、俺の事ここまで心配してくれるのか……。

 でももう安心しな。

 どこにもいかねえからよ。

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