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俺の嫌いな展開になった。

初めに、僕は異世界モノの類の話が嫌いだ。


ん?なぜ嫌いなのかって?現実味がないからさ。


エルフとかゴブリンとか…そんな生物いるはずがないんだから。


それならキャンプ系とか現実モノのギャグ系見るよね。


…別に最近流行りの異世界モノを見ない俺カッコイイとか思ってないし。もっと現実的で面白い話はいっぱいあるんだよって事。


仮に異世界に行ったとしても、きっとすぐ帰りたくなるだろうね。なんたってゲームや漫画とかの娯楽がないんだから。それならずっと家にいる方がマシさ。


と、浩二はネットでオススメされた異世界モノを読みながら独り言を言っていた。


岩下浩二 「やっぱり異世界モノはダメだな。酒しか飲んでないじゃん。お酒は20歳になってからですよー。」



俺、岩下浩二 27歳。

職業 自宅警備員。

趣味 漫画を読むこと。

彼女 …察してくれ。

友達 この年までずっと独り。

将来の夢 生きる。


浩二 「はぁー。しっかし異世界って可愛い子多すぎるんだよ。現実見て描いてんのかこの人?」


浩二 「俺だったらもっと現実的に描くけどなー。第1こんな目の細い人が人気な訳がないし。時代はぱっちり二重だっちゅーの。」


パイレーツか。


浩二 「異世界モノ好きな人ってただ現実逃避したいだけなんだろーなー。…俺は嫌いだから逃避してないよな。」


浩二はそう自分に言い聞かせるが、実はハマっていることに気がついてない。


浩二 「ありゃ、もうビールないじゃん。たぁーー、今日は外でないつもりだったのにさぁ。一緒に飲む人もいないし。」


浩二 「…異世界でいいから誰かと青春してぇなぁ。って何考えてんだよ俺!」


浩二は今日の今日まで青春をしたことがなかったのである。そのせいか、たまに青春したくなる時がやってくるのだ。


浩二 「ま、いいや。ジャンプ立ち読みするべ。」


浩二は重い足を玄関へと向かわせる、その時ー


玄関を開けるとやけに眩しかった。そこには天使が待っていた。


浩二 「うわ、何なんだよ急に。太陽拳でも使われたか?」


天使 「貴方様の願い、承りました〜!!」


女性アナウンサーばりの元気の良い声とともに、バスケットボール程の大きさの天使が浮いていた。


浩二 「ん?何これ。夢?夢なのか?夢だよな。絶対に夢だ!!」


浩二はいきなり見たこともない生物が現れ困惑している。


浩二 「…何か浮いてるし。これ絶対新種の生き物だろ。とっ捕まえて博物館に持ってってやる!」


浩二 「やばい、新種の生き物捕まえたから俺も億万長者…うひひ。」


浩二はお金のことで頭がいっぱいになっていた。


浩二 「んじゃ、さっさと捕まえるぜ!」


強引に掴まれる天使。


天使 「いた、痛いですよ!何なんですか急に!?貴方様が願ったので叶えに来たんですけど!」


天使は強引な浩二に怒る。


浩二 「うお、喋ってるし…。こりゃほんまもんにやばいわ。…てか、願ったって何を?俺何も願ってないんですけど…。」


天使 「とにかく!手を離してください!これだから彼女もできないんですよ。全く。」


浩二 「はぁ?何でよー分からん生き物に俺の彼女論について言われなくちゃいけないんだよ。」


浩二は天使から手を離す。


天使 「いいですか。貴方様は先程、(異世界でいいから誰かと飲みてーなぁ。)と願いましたので天使の私が叶えてあげるためにやって来たのです。」


浩二 「いやいや、頼んでないし…。それに天使ってどゆこと?俺そういう系無理なんで。お引き取りを。」


浩二は玄関を閉めようとする。


天使 「わー!わー!待ってください!私達天使は願い人の願いを叶えるまで天国に帰られないんですぅ〜!」


浩二 「ふーん。じゃ、帰らなければいいじゃん。俺はここに帰るけど笑」


浩二は家の中を指しながら天使に向かってお尻をペンペンと叩く。


天使 「ぐぐぐ…」


浩二はお尻ペンペンをやめると再び玄関を閉めようとする。


浩二 「じゃ、ここら辺空気美味いからいっぱい吸うんだよ。俺は帰るから。」


天使 「そんな殺生な!早く来てくださいよ!」


浩二 「やーだね。俺この生活気にってるし。てか、お前何かうるさいからもう捕まえるのやめたわ。まだカブトムシのかマシだよ。」


浩二は塩を持ってくる。


浩二 「ほれ!ほれ!塩のグミ撃ち食らえ!」


ビシビシと天使に当たる。


天使 「ちょ、いた…痛いわっ!!!」


天使はあまりのウザさに大声を上げる。


浩二 「おー怖…。なんだよ急に。てか、天使でも怒るんだな…。」


天使 「こっちが優しく出てるのに何だよお前は!天使なめてっと地獄連れてくぞ?あぁ!?」


天使の本性がでてしまった…


天使 「ったく、願う気ないなら願うな。まだケツの青いクソガキがよぉ。」


浩二 「け、ケツの青、てめー言うじゃねーかよ。お前の方がガキじゃねーか。家帰ってパパと結婚ちゅる〜とか言ってろや!」


天使 「はぁ!そういえば、最近流行ってるモノに流れない俺カッコイイとか思ってる男っているんだよな〜。あれダサいよな〜、その時の自分の顔見てみろって感じ笑」


浩二 「あ?誰だよそれ。」


天使 「ぷぷ、気づいてないのね。あー可哀想。」


浩二 「何だそれ、俺の事?俺そんなこと思ってないんだけど。」


天使 「プライド高い人ほど早口になりがちよね〜分かる分かる。君はかっこいいよ笑」


浩二 「…冷めたわ。マジで帰るから。」


浩二は3回目にしてやっと扉を閉めた。


天使 「…何よあいつ。願ったくせして。」


天使 「もーーー!帰れないじゃなーーい!!!帰りたい帰りたい帰りたいー!パパーママー!!」


天使がグズっている所を浩二にしっかり見られていた。


天使 「…あ。」


浩二 「…恥ずかし。」


天使は少し泣き顔で浩二に言う。


天使 「あら?叶える気になったのかしら?」


浩二 「まあ、お前が余りにも哀れだったし…。」


天使 「…ふん、どうせパパとママが恋しい100歳児ですよ。」


浩二 (100歳でこれか…。)


天使 「100歳でこれだけど、何よ?」


浩二 「うわ、心の声まで聞けるのかよ。何でもありだな。」


天使 「一応、天使ですから。」


天使は自慢げに言う。


浩二 「はぁ。んで、俺は何をすればいいわけ?」


天使 「とりあえず私と手を繋ぎなさい。手を繋がないと異世界は行けないから。」


浩二 「…分かった。」


浩二は天使の手を握る。


天使 「あら、手汗すごいわね。…あー、彼女なしはおろか女の子の友達も居なかったからね。緊張するの分かるわ。」


浩二 「ち、ちげーわ!!さっきまで筋トレしてたからなぁ!」


天使 「はいはい、面倒臭いわね。もう早く異世界連れてってサヨナラしたいわ。」


天使と浩二は天へと向かっていく。


浩二 「あー!家の鍵閉め忘れた!降ろしてくれ!」


天使 「はぁ?もう無理よ。願いの狭間まできてるし。」


浩二 「ちくしょー。俺が集めた漫画全て盗られるー。。」


天使 (本当に子供ね。)


浩二 「これだから異世界モノは嫌いなんだー!!」


浩二は泣きながら願いの狭間まで行くのであったー


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