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第三話 決意

「何ですかこれ?」


 あまりにも馴染みの無い手紙に俺はサイカさんを見た。


「シュラインガ―魔法学園への体験入学招待状、期間は二週間です。今朝家の郵便受けに入っていました」

「魔法学園って……?」

「王都に住む冒険者や騎士を志す騎士候補生が通う学園です。十五歳から十七歳の三年間在籍し、魔法の基礎や応用を学び、それぞれの分野における知識を深めていくのです」

「へー……」


 田舎の冒険者とかとはえらい違いだな。

 

 俺は自身が冒険者となり、研鑽を積んだ過去を思い出す。


「誰宛のですか?」

「スパーダ様です」

「……え?」


 俺は本気で困惑した。

 一体何がどうしたらそんな招待状が俺の元に届くのか、甚だ疑問でしかなかったからだ。


「だ、誰が送って来たんですか?」

「差出人は不明です」

「はい?」


 サイカさんの言葉に、俺は再び困惑する。


「な、なら誰かのいたずらとか……そういうことですか?」

 

 正直いたずらだとしても、俺相手にそんなことをする理由も俺にそんなことをする人物にも心当たりはないためあまりにも突飛な考えだが……それ以外には考えられない。


「いえ、いたずらでは無いと思います」

「それはまたどうして?」

「この招待状が間違いなく本物だからです」

「!?」


 俺は手に持っていた招待状を凝視する。


「この手紙にある『魔法印』はシュラインガー魔法学園のみが使用する特殊な印、偽造も不可能な代物です」


 そう言ってサイカさんは手紙の右下に押されている赤色の印を指さす。


「そ、そんな……」

「私も最初は目を疑いましたが、間違いありません。いたずらにしてはあまりにも手が込みすぎています」

「じゃあ……俺を招待したがってるのは、学園側の誰か……それも俺みたいなのを学園に招待できる権力を持った奴ってことですよね?」

「はい、そうなります。ですがその情報だけで絞り込むのはかなり困難です」

「ど、どうしてですか?」


 こんな大それたことができる人間だ。きっと学園内の上層部の誰かの仕業じゃないのか?


「魔法学園は多くの上流階級の貴族の息が掛かった場所です。学園内の上層部以外にも権力を持った者は多く存在します」


 そうか……それじゃあ俺を学園に招待した奴を絞り込むのはかなり難しいな……。


 しかし、そこで俺は一つの考えに至った。


 待てよ。これは招待状……別に強制じゃない。

 なら、わざわざ俺を招待した奴の思惑に乗る必要はないだろ。


 そう、簡単なことだ。誘いに乗らなければ何も起きないのだ。

 

 だが、俺は思い出した。


「サイカさん。俺にこの手紙を見せたってことは……何か、行く価値があるんですか?」


 そもそもの話として……俺はゼノと魔剣について調べるという話の流れからこの手紙を受け取った。

 つまり……、


「はい」


 シュラインガー魔法学園には、俺の知りたいことがあるかもしれない……ということだ。


「シュラインガー魔法学園には、関係者でなければ入れないグラゴリエス書庫があります。王立図書館では手に入らないような情報も、あると思われます」


 ……そうか、なら……。


「行く以外の、選択肢は無いですね!」

「よろしいのですか? スパーダ様を学園に招待した者の目的も不明瞭です。何か危険があるかもしれません」

「相手の意図が読めなくても、危険な橋だとしても……関係ないですよ。このままじゃ行き詰まり、俺は少しで前に進みたいんです。それに体験入学ですし、何かヤバくなったらすぐに学園を出ればいいですし」

「……分かりました。では学園側を連絡し、手続きを行います」


 俺の答えに、サイカさんは軽く頷いた。


「へー、スーちゃん魔法学園行くんだ!」

「おう」


 ……ん?


 リンゼの問いに答える俺、しかしそこで一つの疑問が浮上する。


「なぁリンゼ。王都で冒険者ってことは……お前も」

「うん! 通ってたよ」


 あっけらかんとした様子でリンゼは答える。


「待てよ……さっきサイカさん学園に通うのは十五歳から十七歳って言ってたよな? リンゼって……」

「スーちゃんと同じ年、十六歳だよ?」

「……」


 えーと、つまり……。


「魔法学園で冒険者を目指す人って入学した後に冒険者登録をするの! 私すっごく頑張って在学中に冒険者ランクをSまで上げたんだー! それがすごいって学園側に言われて、飛び級して卒業しちゃった!」

「……ははは」


 幼馴染の天才っぷりに、俺は乾いた笑いと浮かべることしかできなかった。

ここまで読んでくださってありがとうございます!


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◇◇◇


小話:

スパーダのような田舎出身の冒険者は大体独学で魔法を学びます。

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