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Lv.1 調合魔法と魔法適正

異世界に飛ばされたハヤト、勇者としての能力を研究されるが、

だれもが驚く驚愕の結果が出てしまう。


過去も未来も関係ない、かんばれ、ハヤト負けるなハヤト、前向きな奴

 ------------1----------------


 視界が変わり、俺は大勢のローブをまとった男女に囲まれ圧倒されていた。



 おそらく勇者召喚の儀式でもしていたのだろう。



 正面には風格のあるローブの男が俺をじっくり見つめている。

 そしておそらく彼が召喚者だろう。



 責任者の後ろにいるのは召喚の野次馬だろうか、こちらをみて思い思いのことを話し合っている。


 すこし聞き耳を立ててみよう



「成功か!」「だが、どうだろうな」「若いな」「強いのか?」



 どうやら俺はあまり強く見えないようだ。ただの高校生だから当たり前といえば当たり前だが。



 品と風格のある責任者らしき人物が一歩前に出て手に持った水晶を差し伸べながら語りかけてきた。



「勇者様、よくぞ召喚に応じてくださいました。私はクラウ、失礼ですがこちらの水晶に触れて下さいますか?」



 差し出した水晶に触れるとクラウの雰囲気が変わり何やら唱え始めた。


 この世界は魔法で住民登録するのだろうか。


 そんなわけがない、この場合は俺の力量を図っているのだろう。



 女神さまの加護はどのくらい俺を強くしてくれたのか。気になっていたので棚ボタというやつだ。



「こ…これは…なんと…」



 クラウは明らかに顔が引きつっている、明らかに絶望と表せる顔だろう。



 後ろの召喚士たちが身構えている。どうやら彼らは野次馬ではなく護衛だったのだろう。



 何とも言えない顔をしたまま、呆然と彼はつぶやいた。


「よ…弱すぎる」



「えっ?」


 俺も素っ頓狂な声を上げてしまった。


 クラウと同じ絶望した顔をしていたであろう。



 ーーーーーーーーーーーー2----------------


 俺はクラウに客間に通され、なぜここに召喚されたのか説明された。



 魔王が復活し、世界中のモンスターが狂暴化しているらしい。


 そのため魔王を倒すことが俺の召喚された目的だ。



 とんでもない世界に召喚されてしまった。だが俺は少しわくわくしていた。


 こんな冒険できるなんでゲームや漫画の世界の主人公ではないか。



 クラウが説明を終えた後、続いて申し訳なさそうに語りかけてきた。



「ですが、勇者様。魔王討伐は別の勇者にお任せしたほうがよろしいと思います。」



 ひどいことを言ってくれる。だが、理由は察しがつく。


「俺が弱いからですか?」



「正直に申し上げますと、その通りです。


 私は神の加護を使った魔術で、相手のレベルを確認することができます。」


「勇者様の今のレベルは1です…」



「レベル1?!」


 いや、もしかしたら、一般人はレベル1なのかもしれない


「レベルの平均ってどのくらいですか?」



「成人男性で15と言われています。」



 俺、貧弱過ぎないか?


 いや、こういう場合は何か特別な力とかもってるはずだ、そうだ、そうに違いない。



「俺、勇者ですよね?何か特別な力とかないんですか?魔法とか」



「あっ!そうです!あるかもしれません!


 簡易的ではありますが、魔法の適性を確認しましょう」



 そういって彼は先ほど使った水晶を取り出し、机の上に置いた。



「この水晶に触れて、自分の力を注入するイメージをしてみて下さい。


 水晶はあなたの力を吸い込もうとして、力と同調を始めます。」



「えっ?力を吸い取る!危険じゃないんですか?」



「問題ありません。魔力を吸い込まれるのは少量です。」


「危険といっても軽傷を負う人が何年かに一度出る程度です。この検査は3歳の子供から解禁されるテストです。」



「そうですか、ちょっと不安だなぁ」



 そういいながらも俺は手を伸ばし始めていた。不安ももちろんあるが、異世界で魔法を使うなんて


 夢のある話ではないか!そんなワクワクした気持ちで球をつかみイメージを膨らませてみた。



 すると、手の先から力が抜けていく、これが魔力を取られていく感触なのか。


 目の前の水晶の中になにかが形とられていく。


 縦長の丸い形で上部に大きな穴が開いている



 クラウがのぞき込んで解説してくれた。


「これは、壺ですな。」



「壺?」



「ええ、壺です。勇者様、あなたの適性は調合魔法ですな。


 少ない魔力量で成果の出せるコストパフォーマンスの高い魔法です。」



 調合魔法、名前からして地味な魔法だが、応用の効きそうな名前だ、俺の好み。



「もう水晶を放してもらって問題ありませんよ」



「そうですか」



 水晶から手を放そうとしたとき俺は明らかな違和感を感じた。


 体が重い、それ以上の違和感は、水晶から手が離れないことだ。



 それに気が付いたと同時にとんでもない寒気を感じた。


 口が動かない。まっすぐ立てない、俺は態勢を崩した。


「あ…あ……」



 目の前が暗くなってくる。クラウが何かこちらに向かって叫んでいる。



 意識が、沈む。




 そして俺はこの世界で一回目の死を遂げた。

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