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92話 家には並々ならぬこだわりがある!

 僕たちはようやくギルドハウスを見に行く。

 まずは追加された中で一番安いギルドハウスだ。

 一番安いギルドハウスは1000Gで購入出来てこの世界にただ一つしかない物件だ。

 その物件を今から見に行く。

 

 「こ、これは……。」

 実はギルドハウス探しを一番楽しみにしていた先生が驚愕の声をあげる。

 「流石1000Gで買える家と言ったところでしょうか……。」

 「これは家と言ったらダメよね……。」

 目の前にあるのは家というよりも倉庫だ。

 それもボロボロで今にも崩れそうな。

 いたるところにクモの巣が張っていて埃まみれなのが分かる。

 扉を開いただけでも崩れそうなので中には入らないでおく。

 「次行きましょうか……。」

 「そうですね……。」

 

 次に来たのは10万Gで購入できるギルドハウスだ。 

 このギルドハウスは一番数が多くてハーマリとグラーシに50件ずつある。

 形は全部一緒で屋根の色だけが違うみたいなのでハーマリにある一つを見に来た。

 「普通ッスね。」

 「普通ですね。」

 「普通だね。」

 本当に普通としか言いようがない二階建ての家だった。

 庭はなく三角屋根の普通な家だった。

 「庭がないのでこの家もダメですね。次行きましょう。」

 先生は中を確認することもせずに次の物件へ行こうとする。

 先生にとって庭があるか無いかはとても重要なことみたいだ。

 

 先生に着いていくと次のギルドハウスに到着した。

 次のギルドハウスはハーマリとグラーシに30件ずつあり15万Gの物件だ。

 「さっきのギルドハウスにちっこい庭が付いただけだな。」

 「庭が付いただけですね。」

 「庭が付いただけだねー。」

 さっき見たギルドハウスに小さい庭が付いたギルドハウスだった。

 庭には白いテーブル一つと椅子が二つ入っていた。

 「庭でゆっくりしていたら周りの人にじろじろ見られてしまいますね。ここもなしです。」

 個人的にはいい物件だと思ったけど先生のお眼鏡にはかからなかったようだ。

 どうやら先生は庭でのプライベート空間も大事にしたいらしい。

 

 今度は30万Gギルドハウスだ。

 これはハーマリとグラーシに15件ずつあるギルドハウスで数が一気に減る。

 「倍になったわね。」

 「倍になったッス!」

 「倍になりましたね。」

 15万Gのギルドハウスの大きさと庭の大きさが倍になっただけで印象的には何も変わらない物件だった。

 「ここも先ほど同様、庭のプライベートがないのでなしですね。」

 ここのギルドハウスも先生は中を見ることなく外見だけを見て次のギルドハウスへ行ってしまう。

 外見だけじゃなくて中身も見てあげて下さい。

 なんかこのギルドハウスたちがかわいそうに見えてくるので……。


 次のギルドハウスは値段が一気に上がり75万Gだ。

 ここまでの値段だとこのギルドハウスを買えるプレイヤーも限られてくるだろう。

 このギルドハウスはハーマリには無くグラーシに三軒だけある。

 全て海岸線にあり海の見える別荘という感じのギルドハウスだ。

 庭も家もかなり広く30万Gのギルドハウスの2倍ほどある。

 「いい感じですね。」

 「いい感じだな。」

 「おっさんビューッス!」

 クロ……それを言うならオーシャンビューだよ……。

 何だよおっさんビューって!

 地獄絵図じゃないか!

 「いい感じですけど何か違いますね。次も見てみましょう。」

 何かが違ったらしい。

 先生の中で理想的なギルドハウス像があるのだろうか。


 次が最後のギルドハウスになる。

 このギルドハウスはハーマリとグラーシどちらの街の中にもなく僕達がよく行く森の中にあるみたいだ。

 「こんなところに本当にあるの?」

 レイクがボソッと呟く。

 先ほどから歩き続けているが一向にギルドハウスらしきものが見えてこない。

 森のかなり深い場所にあるみたいでどんどん景色が薄暗くなっていく。

 こんな奥までは来たことないな。

 プレイヤーの姿は一切なくモンスターの姿すら見かけなくなってきた。

 そんな時森が急に開けて一軒の大きな家が目に入る。

 家というよりも貴族のお屋敷という感じだ。

 モンスターが入ってこないようにか鉄格子に囲まれ庭には大きな噴水と薔薇園のようなものまである。家もさっきまで見ていたギルドハウスがミニチュアに見えそうな程大きい。

 「貴族様のお屋敷ね。」

 「お屋敷だな。」

 「管理のし甲斐がありそうです。」

 あれ?

 チェイスさん今初めてギルドハウスに対する感想を言ったような……。

 「いいですね。ここにしましょう。」

 先生も気に入ったみたいだ。

 まあ、もうここ以外にギルドハウスがないので他が気に入らないのならここにするしかないんだけどね。

 「みんなもここでいい?」

 皆も気に入ったようですぐに頷いた。

 「キュー!」

 きーこも気に入ったみたいだ。

 ここで気になるお値段だけど……200万Gだ。

 この前の『宝探しゲーム』で稼いだお金をほとんど使ってしまうが、なんとか買う事が出来る。

 もともといい感じのギルドハウスを見つけたら即購入する予定だったので、僕はメニューを開き目の前のお屋敷を200万Gで購入する。

 購入すると門の所に『フォレスト』という表札ができた。

 先生とチェイスさんが家の中へと入っていく。

 チェイスさんにお屋敷って似合うなー。

 そんなことを考えながら僕も先生たちを追って家の中へ入っていく。


 外見通り中もとても広く床は赤い絨毯が敷かれていた。

 玄関は吹き抜けになっていて左右には二階に繋がる階段があり扉は数えきれないほどあった。

 

 ここが今日から僕たちの家になるのかと思い僕は胸を高鳴らせるのだった。

 ユウとかネロも招待したいなー。


 

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