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90話 先生とレイクは恐怖の象徴になった!

 急いでハーマリまで戻る。

 すでに待ち合わせ時間から10分過ぎていた。

 集合場所はいつも通りハーマリの噴水の前だ。

 『宝探しゲーム』以降、打ち上げから久しぶりに全員集まるので楽しみだったのだがまさか遅刻するとは……。

 街の中に入ってからはあんこから降りて走って向かう。

 始めはきーこの手を引いて走っていたが途中からきーこが辛そうにしていたので抱えて走ることにした。

 「キュー!」

 抱えられたきーこが嬉しそうなので良かった。

 

 走って数分、噴水のある広場に着いた。

 やっぱりみんな待ってる……。

 待ってるから早く行かないといけないけど何か広場の雰囲気がおかしいな。

 何だかみんなの周りだけ妙に人がいないような……。

 避けられているような……。

 ここの広場は何時も人がたくさんいる。

 何故なら皆ここで待ち合わせをするからだ。

 何時もなら人が入り乱れているはずなのにフォレストの皆の周りだけ妙に人がいない。

 これはあれかな?

 「おい、あそこ見ろよ。弓聖がいるぜ。『宝探しゲーム』でも大暴れだったらしいじゃないか。」

 「ひっ!あいつはっ!」

 「どうしたんだ?そんなに怯えて。」

 「あれが『きょうし』か?意外と優男だな。」

 「『きょうし』?なんだそりゃ。」

 「あいつの二つ名だよ。」

 「あー、『教師』か。授業でもしてくれるのか?」 

 「ああ、最も『教』えられるのは『死』の恐怖だとさ。『宝探しゲーム』であいつに殺された奴らは皆あいつの姿を見ると恐怖で足が竦むらしい。そこでつけられた二つ名が『教死』らしい。」

 先生何したんだ!?

 そんな物騒な二つ名をつけられるなんて!

 でも、ちょっとカッコイイから羨ましい……。

 「『教死』の隣見てみろよ。」

 「黒猫の可愛い子か?」

 「そうだ。でも、見かけに騙されたらダメだぜ。あの子にも今回のイベントで二つ名が付いた。」

 「『猫姫』とか『黒髪姫』とかか?それならぴったりだと思うが……。」

 「いいや、違う。姫はあっているけどそんな可愛いものじゃない。『暴力姫』だ。」

 「『暴力姫』?それは見かけによらず物騒だな。」

 「聞いた話だけど物騒どころじゃないらしい。何でも、武器は持たず素手で襲い掛かってきて満面の笑みで何度も何度も顔面だけを殴られ続けるらしい。今では『教死』と『暴力姫』はすっかり恐怖の象徴になってる。まあ、一部特殊なファンもいてファンクラブもできているみたいだぞ。」

 レイクも何やってるの!?

 恐怖の象徴って!

 いつの間にかフォレストは物騒なギルドになってるよ……。

 「『教死』と『暴力姫』と『弓聖』が一緒にいるってことはあいつらは同じギルドなのか?」

 「ああ、それも聞いた話になるが全員『おこぼれ王子』が作ったギルドに入ってるらしいぞ。」

 「あの『おこぼれ王子』のか?」

 「あの『おこぼれ王子』のだ。」

 あ、僕は変わらず『おこぼれ王子』なんですね……。

 先生とレイクに二つ名が付けられて僕も変わってるかもしれないとほんの少しだけ期待したけど、簡単には変わりませんよね……。

 アオが変わらず『弓聖』の時点で僕も変わってないって気づくべきだったな……。

 「でも、あの『おこぼれ王子』も大出世だよな。こんなギルドのマスターだなんて。」

 「『タッグマッチトーナメント』『宝探しゲーム』1位は伊達じゃないってことだ。今回の『宝探しゲーム』も『弓聖』と行動してたみたいだから『おこぼれ王子』はまた『弓聖』のおかげで1位になったとってる奴もいるみたいだが、実際戦った奴や『自称勇者』との最後の戦いを見てたやつは『おこぼれ王子』の実力が分かってるからもうバカにするやつはいない。まだ一部はいるけどな。『弓聖』の熱狂的なファンとか……。」

 「そんなに凄かったのか?」

 「ああ、圧倒的だった。俺達じゃ相手にもならねえよ。」

 「そんなにかー。」

 「そんなにだ。」 

 ユウの二つ名は『自称勇者』なんだね……。

 

 「兄貴、何立ち止まってるッスか?早く行くッス!」

 「あ、ごめん。行こうか。」

 

 僕も少しは有名になってきたのかな?

 もっともっと有名になれるように頑張ろう!

 

読んでいただきありがとうございます。

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