89話 兵ではなく娘でした!
あれから数日たち僕達が『宝探しゲーム』で手に入れた大量のお金の使い道に困っている時に丁度ギルドハウスが追加されるというお知らせがアイちゃんから届いた。
このギルドハウス追加に一番食いついたのは意外なことに先生だった。
先生もギルドハウスというものに憧れていたのかもしれない。
なので今日は追加されたギルドハウスを『フォレスト』の皆で巡りいい物件を見つけたら即購入する予定だ。
一応先生……現実の先生に言われた勉強を少しやってからログインする。
僕がログインするとあんことゆき、そしてクロがこっちに向かってやってくる。
僕がログインしていない間使い魔達は各々好きに過ごすそうだ。
森に行ったり街を歩いたり。
でも、基本的には森の奥深くで休んでいるようだ。
そして僕がログインするとすぐさまやってくる。
この前《使い魔召喚・送還》のスキルを使った方がいいかと聞いたところ自由な時間がたくさんある今の方がいいと言われたので送還はしないと改めて決めた。
使い魔も揃ったところで今いるハーマリを出て森の中へ移動する。
「何でこんなところに来たッスか?」
「ギルドハウスを探しに行く前にやっておこうと思ってね。」
「なんをするのですか?」
「それは見てのお楽しみだよ。」
プレイヤーがいなさそうな薄暗い森の奥まで来たのでここに決める。
「ここでいいかな?よく見ていてね。《樹木兵》!」
スキル名を唱えると地面に魔法陣が浮かび上がり強烈な光が薄暗い森を照らす。
「キュー?」
可愛い!
すでに2度見たことのある木の子供が召喚される。
目がクリクリしていて大きさはあんことゆきと同じくらい、木だけどごつごつしていなくてどちらかと言うとぬいぐるみみたいでふわふわした見た目だ。
この子も名前を付ければ使い魔になったりするのかな?
「君の名前は『きーこ』だ!」
「キュー!」
僕が名前を告げるときーこが淡く光る。
光ったと思ったらきーこの姿が変わって大きくなっていく。
やがて光が収まり変化も終わったようだ。
「きーこなの?」
「キュー!キュー!」
僕の目の前には長い緑の髪で茶色のワンピースを着た幼児がいる。
「これは……。」
「どういうことなのでしょう?」
「兄貴の使い魔が増えたってことッス!」
クロ……そこじゃない。
今のあんこの「どういうことなのでしょう?」はきーこが何で人間の見た目に変化したのかってことだから。
「キュー?」
きーこが首をかしげてこちらをのぞき込む。
うっ!
可愛い!
娘を持つってこんな感じなのだろうか?
「きーこ、体でおかしな場所はない?腕とか足は問題なく動く?どこか痛いところはない?気持ちが悪かったり体がだるかったりは?」
「過保護すぎよ!」
ゆきに突っ込まれてしまったが何故か無性に心配になるのだ。
きーこは走ってみたり飛び跳ねてみたりして体の調子を確かめる。
「キュー!」
にっこりと笑いこちらに問題ないことを伝えてくる。
うん、やっぱり可愛い!
「フータ様、時間大丈夫ですか?」
「時間?うわっ!やばい!遅刻だー!あんこ乗せてくれる?」
「仕方ないですね。《巨大化》。さあ、皆さん乗ってください。」
僕はきーことゆきを抱きかかえ巨大化したあんこに乗る。
「俺は飛べるので大丈夫ッス!」
「きーこさん、しっかり掴まっていてくださいね。」
「キュー!」
きーこが返事をするとあんこが物凄い速さで駆けだす。
きーこを落ちないように僕の前に座らせてゆきが僕の頭の上に乗る。
急に娘的な存在が増えたけど皆驚くかなー?
驚くだろうな。
なんて説明すればいいだろうか。
きーこについては正直僕にも分からないことだらけだし……。
まあ、これから知っていけばいいか!
とにかく今は集合場所に早く行かなければ!
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