87話 アイちゃんと二号の密かな楽しみ!
やっほー♪
皆のアイドルAIのアイちゃんだよー♪
今回の『宝探しゲーム』は実は私が考えたイベントなんだー。
いつもは勝手にゲーム自身がイベントとか決めちゃうけど暇だったから私が主催して二号とイベントを起こしてみたんだ。
楽しんでもらえたかな?
『宝探しゲーム』も終わってこっちは随分と落ち着いている。
「二号ー、お茶取ってー。」
「はいはーい。ちょっと待ってくださいねー。」
今は二号と一緒に『宝探しゲーム』の映像を見て楽しんでいる。
「やっぱり面白いなー。これは何回見ても飽きないよ!」
「ほどほどにしてくださいね。前回の『タッグマッチトーナメント』だって10回以上見ていたじゃないですか。」
「面白いからいいんだよー。」
「そうですか……。それにしても『フォレスト』の皆さんは凄いですね。上位5人に3人も入るなんて。」
「本当にね!あの黒竜なんて倒すことが実質不可能なレベルに設定だったのにまさか仲間にしちゃうなんて驚きだよ!次回のイベントで使う予定だったものを勝手に借りたから多分怒られるよね……。怒られる時は一緒に怒られようね?」
「嫌ですよ!アイちゃん一人で怒られてください!」
「それにしても、今のレベルでは倒せないレベルの設定だったからあの宝箱だけモンスターの中には入れずに外に出しておいて、隙を見つけて取らないとダイヤモンドは取れないはずだったのに。」
「そうですね。まさかダイヤモンドを獲得するだけでなく仲間にするとは思いもしませんでした……。そういえばあの洞窟の遺跡のPを手に入れたのも『フォレスト』のレイクっていうプレイヤーでしたよね。」
「そうそう!それ!あれも驚いたよー。あの遺跡もPを取らせるつもりはなかったんだよねー。いかにも中に宝箱がありそうな雰囲気を出しておいてあの化け物に返り討ちにされるはずだったんだけどね。まあ、実際レイク達が来る前に遺跡の中に入ったプレイヤー達は泣き叫びながら化け物から逃げて倒されてたよ。正直あれはちょっと反省してるんだ。怖くしすぎたかなって。トラウマを抱えちゃった子もいるみたいだし、私自身あの場にいたら怖すぎて腰を抜かしてるかもしれないからね。そう思うとあの2人と2匹はよく逃げたよ。あの化け物は遺跡の外にある光にあてる以外倒すことはできないし、一撃でも受ければ即死の正真正銘の化け物だったんだよあれは。一応中に宝箱を仕込んでおいたけど……あの宝箱を手に入れるプレイヤーが現れるとは思わなかったよ!」
「あの映像はいつ見ても怖いですよね。夜一人で眠れなくなりそうですよ。」
「AIは寝ないでしょ!」
「そうでした。あっ!私あの場面が好きなんですよ!何度見てもいいですよね!」
「あの場面?」
「はい!あの場面です!アイちゃんも好きじゃないですか!」
「あー!あの場面ね!好きすき!大好きだよ!あのレイクがフータに恋しちゃう場面!あれは何回見てもいいよね!絶体絶命のレイクを助けに現れるフータ。レイクは遅いって言うものの優しく微笑みながらよく頑張ったね、後は任せてというフータ、あんな登場のされ方したら私だって恋に落ちちゃうよ!恋なんてしたことないけど!」
「はい!分かります!私だって恋に落ちちゃいます!恋なんてしたことないけど!」
「その後も二人の会話がすれ違い続けるのも面白いんだよねー。そうじゃなーい!って突っ込みに行きたかったもん。フータなんて最終的にはレイクに嫌われたと思ってへこんでたからね。」
「私たちはあの二人が今後どうなるのか見届けなければいけませんね!」
「その通り!」
「アイちゃん!大変です!」
「どうした?」
「王の称号の3人目が出ました!」
「本当!?誰が貰ったんだろう?あちゃー、この人が王の称号を貰ちゃったかー。運営として差別とかしたらダメなんだけど正直このプレイヤーは好きじゃないんだよねー。」
「誰が貰ったんですか?うわっ、この人ですか。私も好きではないですね。しかもフータ君とレイクさんには因縁深い人物ですね。下手に絡まれなければいいのですが……。」
「これは一波乱ありそうだねー。」
「はい……。」
「まあ、私たちは介入できないからしっかりと見守ろう!」
「はい!」
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