85話 休みたいけど簡単に休めるなら苦労はしない!
楽しいことが終わると辛いことが待っているのが世の常である。
僕は朝目を覚ますと自分の部屋にいることを確認してため息をつく。
昨日まではあんなに楽しかったのにどうして学校に行かなければならないんだ!
そう、昨日までは夜空を見上げて寝たり皆でご飯を食べたりして楽しい時間を過ごしていた。
それなのにどうして!
どうして学校に行かなければならないんだー!
まあ、行きますけどね。
親に怒られたくないし、一応皆勤賞もかかっているので行きますとも。
行くけど、行きたくないなー。
実際『宝探しゲーム』の疲れが抜けきってないのか少しだるいし。
決して行きたくないからだるいと言ってるのではない!
本当に少しだけだるいのだ!
「お兄ちゃん何やってるの!早く準備しないと遅刻するよ!」
「はい。今行きます……。」
「時間ないけど朝あご飯は食べて言ってね。後は片付けておくから。」
「りょーかい。」
パジャマから制服に着替えてリビングで食事をとる。
後は歯磨きをして家を出る。
いつも通りだ。
いつもの通学路をだらだらと歩き遅刻ギリギリに学校に着いて席に着く。
そしてこのまま下校までトイレと移動教室以外僕がこの席から動くことは無い。
席に着いたばかりだけどもう帰りたい。
帰って『チェンジワールドオンライン』をやりたい。
アオやレイク達は今頃何をしているんだろう?
アオは僕の一つ下だから今頃学校にいるのかな?
レイクも高校生っぽいし今頃どこかの学校にいるかもしれない。
先生は……先生をしてそうだな。
はー、アオやレイクと一緒のクラスなら楽しそうなのにな……。
まあ、ありえないことを考えてもしょうがないか。
授業が始まると突然眠気が襲ってくる。
眠い!
誰かが寝てると僕も寝やすいんだけどなー。
ぱっと見誰も寝ていない。
なんて優秀なクラスなんだ……。
と思ったら珍しい青人君が眠気と戦っていた。
普段そんな姿は見ないので大変貴重だ。
青人君は人気者だからなー。
僕には分からない週末の苦労があのだろう。
僕みたいにゲームしていて疲れてるなんてことはないはずだ。
青人君がそのまま寝てくれたら僕も寝やすいんだけど……彼は寝ないよね。
今も頑張って眠気と戦ってるし僕も青人君を見習ってもう少しだけ頑張ってみようかな。
頑張ってみた結果もう一つ気づく事が出来た。
泉さんが今日はどこか上の空だ。
成績のいい泉さんはいつも授業を真剣に聞いているはずなのに今日は授業を聞いてるのかも怪しいほど上の空だ。
どうしたんだろう?
泉さんも成績優秀、容姿端麗で男女共に人気あるからなー。
青人君みたいに疲れてるようにも見えるけど、見た限りもっと他の理由がありそうだ。
漫画だと女の子が上の空でいるときは大抵恋してる時だけど……そんなのは漫画の中だけだよね。
泉さんにも僕には理解できないような深い理由があるんだよ!きっと……。
まあ、もし泉さんが恋していても僕には全く関係ないな。
そろそろ限界なので寝るとしますか。
僕のほかに寝てる人がいないと先生に起こされる可能性が非常に高くなるけど順調にいけば昼の弁当の時間までは寝る事が出来る。
今日も夜にゲームをするために睡眠の貯金を貯めておくことにします。
お休みなさい……。
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