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83話 相手の名前が思い出せなくてもとにかく相槌を打っていれば何とかなる!

 僕とレイクがグラーシの街にある『アロンダ』というレストランへ行くとすでにみんな集まっていて僕とレイクを待ってた。

 「すみません。お待たせしました。」

 「兄貴遅いッス!もうおなかペコペコッス!」

 「遅い!待ちくたびれた!」

 小さい状態になっているクロとユウが不満そうに言う。

 「ごめんごめん。」

 「俺達も今来たところなので気にしなくていいです師匠。クロと自称勇者だけが早すぎただけです。」

 「そうだよ。あんたは楽しみ過ぎて早く来ただけでしょ。文句言う筋合いなし!」

 「おい!そんなこと言ってると……。」

 「あ?そんなこと言ってると何?」

 「ごめんなさい。何でもないです!」

 相変わらずユウはニーヤさんには弱いみたいだ。

 レイクと2人で話がしたかったのであんことゆきとクロには自由行動と言い時間になったらアロンダの前に来るように言ってあったのだが……。

 「あんことゆきとクロで行動しなかったの?」 

 「クロさんが先にどこか行ってしまったので私とゆきで適当に時間をつぶして先ほどここに到着しました。」

 「クロは何してたの?」

 「もちろんずっとここで待ってたッス!」

 「何で?」

 「やることがなかったからッス!」

 そんな自信満々に言われてもなんて返せばいいか分からないよ!

 とりあえず謝っておくね……。

 「そ、そうか。遅れてごめんね……。」

 「?兄貴が我にそんなに謝ってるとなんだか優越感ッス!」

 それはよかったな!

 「これで全員揃ったのか?俺が誘った奴ならわかるが他の人が誘ってきた人まで把握してないぞ。」

 ここにいる人は『フォレスト』の僕とレイク、先生、アオ、あんこ、ゆき、クロ、チェイスさん、べリアちゃん、『炎の王国』のファイヤさん、サブマスター、それとユウ、ニーヤさん、ネロ、最後に見たことあるけど思い出せない人がいる。

 「キッカーさん!来てくれたんですね!」

 喜びの声をあげたのはレイクだ。

 「レイクの知り合い?」 

 「レイクだけじゃないと思いますよ。俺と師匠もあったことあるはずです。」

 「私も知り合いですよ。そうですよねキッカーさん?」

 「ああ。いい思い出じゃないけどな!」

 「そうですか?私は楽しいかっと記憶してますが……。」

 「お前だけだよ!」

 なんと先生まで知っているみたいだ。

 「思い出せませんか師匠?」

 「うーん……。喉まで出かかってるんだけどね。あともう少しだと思うんだけど……。」

 嘘です。

 全然思い出せそうにないのでそろそろ答え合わせしてほしいです。

 「タッグマッチトーナメントでお前とアオに一回戦で負けたキッカーだよ!思い出したか!」

 なるほど……。

 全然思い出せない!

 だってタッグマッチトーナメントはほとんどアオが凄すぎて対戦相手の名前とか気にしてる暇なかったもん!

 しょうがないよね?

 「それは……思い出せないって顔だな……。まあ、しょうがないか……。」

 「おや、いいんですか?あなたはフータ君のことをかなり意識しているようでしたが。」

 「今それを言うなよ!俺が惨めだろうが!」

 「なんか……ごめんなさい。」

 「謝るなよ!よけい惨めだろ!」

 「た、確かに!ご、ごめんなさい!」

 「だから……もういい……。もう帰ろうかな……。」

 「ダメですよ!キッカーさんは私の恩人なんですから!」

 「恩人って言ってもな……別に助けたわけじゃないしな。あいつらの事が気に入らなかっただけだ。それに俺すぐに倒されたし。」

 「それでもキッカーさんのおかげで私たちが助かったことに変わりありません!」

 「そうはいってもなー。」

 「その話今じゃないとダメッスか?我お腹と背中がくっつきそうなので早くご飯食べたいッスけど……。」

 「そうだね。クロの言う通りまずはレストランの中に入ろう。話はそれからだ。」

 「流石兄貴!話が分かる男ッス!」


 こうして僕たちはアロンダの中に入っていくのだった。

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