7話 白い方が悪魔で黒い方が天使だった!
か、かわいい……。
思わず手を伸ばして頭を撫でたくなる可愛さだ。
ちょっとだけなら撫でてもいいよね?
てか、こんなに可愛いものを目の前にして撫でてはいけないとか拷問すぎる。
ちょっとだけだから。
本当にちょっとだけだから。
というわけで失礼しまーす!
パシッ!
「え?」
僕は白いうさぎを撫でようとして、弾かれた自分の手を見つめる。
「ちょっと、気安く触らないでもらえる?」
白いうさぎが言う。
しゃべった!?
もしかしてこのウサギたちもしゃべるの?
「こ奴らはわしの護衛だったウサギの姉妹じゃ。黒い方が姉で『あんこ』という。白い方が妹で『ゆき』という。これからはお主の使い魔として一緒に冒険をさせてやって欲しい」
いいんですか?
こんなかわいい子たちを使い魔なんかにしちゃって。
これからモフモフし放題じゃないか!
最高のゲームライフが僕を待っていたぞ!
よっしゃー!
「ゆき、あんこ、これからよろしく!」
「よろしくおねがいします」
黒いうさぎの『あんこ』は丁寧に頭を下げて挨拶をする。
「呼び捨てにしないでもらえる?“さん”をつけなさい“さん”を!」
「はい……。ゆきさん。」
「それでいいわ。よろしく。」
どうやらゆきはこんな性格みたいだ。
「私には“さん”はいらないですよ」
天使がいた。
ゆきを見た後ということもありあんこが凄くいい子に見える。
ここに天使がいるぞ!
あんこはなんていい子なんだ。
もういい子過ぎて“様”を付けたい!
あんこ様だ!
それに比べてゆきは……。
「なによ?」
「なんでもないです……」
「ほっほっほー。仲良くできそうでよかったわい。わしはもう消えるからの。お主、2人のことはよろしく頼んだぞ。そしてあんことゆきはしっかり新しい森の王を守るのじゃぞ」
「はい!」
「かしこまりました」
「分かってるわよ」
「では、わしは消えるからの。そうじゃ、言い忘れておった。お主の装備、その安っぽい剣一つではこころもとないからのわしが消えた後にお主の新しい装備を置いておこう。しっかり強くなるのじゃぞ。フータよ。これで心置きなく消える事が出来る。さらばじゃ」
そう言うと老人の木は光になって消えてしまった。
老人の木の跡地には装備一式が置いてあった。
《森王の剣》 装備中STR+150、DEX+150する
《森王の王冠》 装備中INT+150する
《森王のローブ》 装備中VIT+150、MND150する
《森王のブーツ》 装備中AGI+300する
強すぎじゃない?
初心者が持っていい装備じゃないよね?
いいの?
本当にいいの?
もらっちゃうよ?
あとで返せって言ってもかえさないからね。
はい。
貰いました!
フータ LV.1 お金0G
HP 100
MP 100
STR 5 +150
INT 5 +150
AGI 5 +300
VIT 5 +150
MND 5 +150
DEX 5 +150
ステータスポイント0
《称号》 『森の王』
《スキル》『森の目覚めLV.10』『植物操作LV.10』『ドレインLV.10』
《使い魔》 あんこLV.1 ゆきLV.1
あんこ LV.1
HP 1000
MP 1000
STR 500
INT 1
AGI 750
VIT 500
MND 500
DEX 500
《称号》『森の王の護衛』
《スキル》『巨大化』
ゆきLV.1
HP 1000
MP 1000
STR 750
INT 750
AGI 1000
VIT 1
MND 1
DEX 500
《称号》『森の王の護衛』
《スキル》『キラーラビット化』
僕の装備も大概だったけど、君たちも君たちだね……。