68話 先生の名前が思い出せない!
しばらく戦っていても以前敵プレイヤーに囲まれたままだ。
どれだけ倒しても数が減っている気がしない。
疲れてきたがここでPを奪われるわけにはいかない。
もし奪われたとして島の反対側にリスポーンしたら時間的に戻ってくることはできない。
絶対にPを守り抜かなければならない!
さっきからレベルアップとスキルのレベルアップの音がずっと頭の中で響いている。
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『《剣術LV.7》が《剣術LV.8》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『《植物操作術LV.5》が《植物操作術LV.6》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『《植物操作術LV.6》が《植物操作術LV.7》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『《剣術LV.8》が《剣術LV.9》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『《魔法術LV.3》が《魔法術LV.4》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『《植物操作術LV.7》が《植物操作術LV.8》に上がりました』
『《魔法術LV.4》が《魔法術LV.5》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『《植物操作術LV.8》が《植物操作術LV.9》に上がりました』
『レベルが上がりました』
『《剣術LV.9》が《剣術LV.10》に上がりました』
『《剣術LV.10》に到達したことによりパッシブスキル《上剣術LV.1》を獲得しました』
『《上剣術LV.1》を獲得したことにより称号《剣の道を進む者》を獲得しました』
フータ LV.37 お金2800G
HP 470
MP 670
STR 1035 +150
INT 785 +150
AGI 475 +300
VIT 475 +150
MND 475 +150
DEX 735 +150
ステータスポイント110
《称号》 『森の王』『森の狩り人』『殲滅者』『植物の使い手』『貫く者』 『器用貧乏』『おこぼれ王子』『タッグマッチトーナメント優勝者』『剣の道を進む者』
《スキル》『森の目覚めLV.10』『植物操作LV.10』『ドレインLV.10』『剣術LV.10』『パーティー念話』『植物操作術LV.9』『使い魔召喚・送還』『魔法術LV.5』『森の目覚め・攻』『森の目覚め・吸』『上剣術LV.1』
《魔法》風属性魔法LV.3 (ウィンドボール、ウィンドカッター、ウィンドアロー)
《使い魔》 あんこLV.3 ゆきLV.3 クロLV.5
ステータスはどんどん上がっているのでゆっくり確認したいがそんな余裕はない。
今は敵プレイヤーを倒し続けるのみだ。
『みんなー♪元気にしてるかなー?上位5人はなんだか大変そうだね♪頑張ってねー♪』
アイちゃんはくすくすと笑いながら放送をする。
『順位が入れ替わったからお知らせするよー♪』
1位 フータ 1078340P
2位 ユウ 253876P
3位 ネロ 216450P
4位 レイク 106325P
5位 シュウ 64372P
『マップに表示される赤点の位置も変わってるから確かめてみてねー♪』
シュウってなんか聞いたことあるなー。
そこで聞いたんだろう?
ゲームで知り合った人にシュウなんて人いたっけ?
「師匠、先生ですかね?」
高台にいるアオが弓矢を放ちながら僕に尋ねる。
先生?
先生か!
そうだ、そういえば先生はシュウって名前だった!
確かに先生だったら上位5人に入ってもおかしくはない。
「先生だと思う!きっと先生もレイクも今頃頑張っているはずだから僕達も負けないように頑張ろう!」
「はい!」
そう意気込んでみたが段々と押し込まれてきているような気がする。
とにかく人数が多すぎる!
僕の方だけではなくユウの方も押し込まれてきている。
「ユウ、そっちは大丈夫?」
大声でユウに聞く。
「大丈夫!って言いたいところだがちょっとやばい!」
「ニーヤさんとアオは?」
「ごめん!もうMP回復薬が切れた!」
「俺も師匠のサポートをするので手一杯です!自称勇者の方を助けている暇はありません!」
このままだとやばいな……。
《森の目覚め・攻》も最大限展開しているし魔法も剣も使える物全てを使っている。
それでも敵プレイヤーに押し込まれてきている。
何か打開策はないか?
なんでもいいからこの状況を変えるものは……。
『《植物操作術LV.9》が《植物植物操作術LV.10》に上がりました』
『《植物操作術LV.10》に到達したことにより《上植物操作術LV.1》を獲得しました』
『《上植物操作術LV.1》を獲得したことによりスキル《樹木兵LV.1》を獲得しました』
『《上植物操作術LV.1》を獲得したことにより称号《植物を操る者》を獲得しました』
ちょうどいいタイミングでスキルを獲得できた!
これで状況を打開できるかもしれない!
いや、むしろ、神様がこれを使って状況を変えなさいって言っている。
そうに違いない!
「早速使わせてもらうよ!《樹木兵》!」
僕がスキル名を言うと地面に魔法陣が浮かび上がり強烈な光が周りを包む。
まぶしくて思わず目を瞑る。
「キュー?」
何かの鳴き声がして目を開けると目がクリクリとした木の子供がいた。
何この可愛い生き物?
可愛い生き物は大歓迎だけど……今じゃない!
でも、待てよ、あんこもゆきも可愛いくて強いからもしかしたらこいつも?
そう思って木の子供の方を見ると今まさに切り倒されているところだった。
「キュー」
木の子供は最後に力なく鳴くと光になって消えてしまった。
あれ?
あっさり倒されちゃった?
もしかしてと思ったけどやっぱりだったか……。
さて、振出しに戻っただけだと思いたいけど実際は着々と僕たちの状況は悪くなっている。
もうダメなのか……。
そう思った瞬間。
「おーーい!フータ助けに来てやったぞーーー!」
遠くからガハハと豪快な笑い声とともにファイヤさんと炎の王国のメンバーがこっちに向かってくるのが見えた。
読んでいただきありがとうございます。
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