67話 協力して戦う!
僕も剣を抜き構える。
構えると戦が始まった。
時代劇のように囲まれても一人一人で攻撃してきてくれるといいのだが現実はそんなことは無く全員が一斉にこっちへ向かって走り出す。
まずやらないといけないことがある。
アオは敵が近くにいると動けなくなるのでなるべく近づかれない位置に移動させなければならない。
「《植物操作》」
「ちょ、何を!?」
僕は《植物操作》を使って高台を作りアオの体を持ち上げてをそこへ乗せる。
「アオは上から狙撃お願い!なるべく近づかせないようにするから!」
「分かりました!頑張ります!」
さて、アオの移動も済んだし僕も頑張ろう!
「《森の目覚め・攻》」
僕がスキル名を唱えると木々が生えて敵プレイヤー達を攻撃し始める。
いきなり出現した木に攻撃されたことで敵陣は混乱状態になっているので僕はその中へ入っていき剣で切り伏せていく。
正直まだ剣はそこまで上手く使うことはできないけどこれだけ現場が混乱状態なら面白いように当たる。
アオも《矢の雨》と《魔弓術・氷》の合わせ技でかなりの敵プレイヤーを減らしているはずだが見た感じ全然減っているように見えない。
それどころか増えてるようにも感じる。
ふとユウ達は大丈夫だろうかと思いユウ達の方を見る。
「《付与魔法・アタックアップ、マジックアップ、スピードアップ、ブロックアップ、メンタルアップ、クリティカルアップ》全てかけ終わったわよ!行ってらっしゃい!」
「おう!」
ニーヤさんがユウに付与魔法をかけ終わってユウが出陣するところだった。
ユウは攻撃するために飛び出すとどんどんと敵プレイヤーを切り倒していく。
やっぱりすごいなー。
そんなことを考えているとニーヤさんがこっちをちらりと見る。
「《ウォーターボール》」
ニーヤさんはなぜか僕に向かって魔法を放ってきた。
僕が防御態勢をとると《ウォーターボール》は僕を素通りして僕の後ろにいた斧を振りかぶっていた人に当たった。
「こっちばかり気にしてたらダメよ!気をつけなさい!」
「ごめんなさい!」
ニーヤさんに怒られてしまった。
ニーヤさんは魔法を主に使って戦うのか。
この前は剣を持っていたからてっきり剣で戦うのかと思ったけどよく見たら今日は杖を持っている。
魔法を使うならアオと一緒の高台にいた方がいいよなと思い《植物操作》を使ってニーヤさんも高台に上げる。
「ニーヤさんもそこから援護をお願い!」
「任せなさい!」
「アオもユウがピンチだったら助けてあげて!」
「分かりました!」
今の会話を聞いていたのかユウが大きな声で言う。
「助けなんていらねーよ!」
そういうユウに現在進行形で弓矢が迫っている。
しかもそれにユウは気づいている様子はない。
それを見たアオは矢に矢をぶつけてユウに到達する前に撃ち落とした。
「……。」
撃ち落とされた矢を見て何も言えない。
「そういうわけだからアオに任せたよ!」
「任されました!」
「勝手にしろ!」
ユウは恥ずかしかったのかぶっきらぼうに言うと攻撃を再開するのだった。
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